予防・メンテナンス

歯をいつまでも使い続けるために

歯は、ご飯を食べるためにも、人と会話をするためにも欠かせない、一生のパートナーです。普段は何気なく使っていますが、いざ「痛い」「噛めない」「抜けた」といったことになると、QOLが著しく低下してしまいます。そうならないために、日頃から適切な予防・メンテナンスを続けていくようにしましょう。

最近は日本でも、虫歯や歯周病を未然に防ぐために予防歯科の取り組みをされる方が増えてきていますが、まだまだ欧米諸国と比べると浸透しておらず、その結果、お年寄りの残存本数はかなり少なくなっています。

80歳の時に残っている歯の本数

スウェーデン 20本
アメリカ 17本
イギリス 15本
日本 8本

歯は、完全には治らない!?

皮膚や骨と違って、歯は基本的に再生できません。そのため虫歯治療で歯を削ったあとは、金属やセラミックといった人工物を詰めるしかありません。さらに、一度治療したところはまた虫歯になる確率が高く、何度か「削って詰める」という処置を繰り返していくと、最後は歯を抜くしかなくなってしまいます。また、歯周病も歯を支えている骨が溶けてしまうと完全に元に戻ることはありません。

そのため私たちにできる最良の方法は、「虫歯や歯周病にならないようにすること」です。これまで予防歯科の取り組みをされていなかった方も、歯は何かあったら治療するものではなく、何も起きないよう普段から予防しておくものであると知っていただければと思います。患者さんのお口の中の状況にもよりますが、目安として3ヶ月に一度は予防のために歯医者さんへ通うようにしましょう。

当院の予防・メンテナンス

予防・メンテナンスは、歯科医師と歯科衛生士が中心になって、患者さん一人ひとりに合った方法で進めていきます。できるだけご要望に沿った形で実施いたしますので、ご希望や不安なことがありましたら、何でもお気軽に仰ってください。

1検診

虫歯や歯周病がないか、どの程度進行しているか、噛み合わせに問題はないかなど、お口の中の健康状態を一通りチェックします。ご自身では一見問題ないように見えても、歯科の専門家が確認すると問題が見つかるということは多々あります。

2スケーリング

スケーラーという医療器具を使って、歯にこびりついた歯石を取り除きます。歯石が大きくなると、歯周病が悪化しやすい口腔環境になってしまいます。歯石はご家庭での歯磨きでは落とせませんので、必ず定期的に歯科医院でスケーリングを受ける必要があります。

3PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)

お口の中の細菌は、バイオフィルムと呼ばれる塊を作り、歯磨きではなかなか落とせない状態になります。その中に複数の歯周病菌が集まると一気に進行していくため、定期的に歯科医院で除去するようにしましょう。

4歯磨きのアドバイス

ご自身の歯に合う歯ブラシの選び方や磨き残しになりやすい箇所の指摘、そしてフロスや歯間ブラシの使い方なども指導いたします。歯科医院でしかできない処置もありますが、それでも毎日のご自宅でのケアが大切なのは変わりありません。

治療を終えられた方へ

虫歯や歯周病などの治療を終えられた方は、再び発症することがないよう、しっかりとメンテナンスをしていくようにしましょう。実施する内容は、上記の通りです。特に虫歯で詰め物や被せ物をしたところは隙間に汚れが溜まりやすいため、欠かさず検診やPMTCを受けるようにしてください。当院では、次回のメンテナンスでのご来院日をハガキやメールでご案内しておりますので、そちらもご確認いただければと思います。