クリニックブログ

2018.05.31更新

こんにちは!杉澤デンタルクリニック行徳の菊地です。


以前「虫歯は遺伝するのか」ということについてお話させていただきましたが今回は「歯周病は遺伝するのか」についてお話していきたいと思います。


答えから言うと虫歯と同じで一般的に歯周病そのものが遺伝することはありません。しかし唾液の量や性状、歯並びなどは遺伝的な要因が含まれていますが、歯周病を引き起こす原因である歯周病菌は生まれながらに遺伝することはありません。


また全身状態、生活習慣(喫煙など)やそれに関する病気(糖尿病など)遺伝的影響など色々な要素が関わって歯周病にかかりやすくなることはあります。


また「侵襲性歯周炎」と言って全身的に健康な若年者(10~20代)が永久歯萌出後に限局的に急速な歯周炎が進行する歯周病があり、これは遺伝的な要因が関与していると言われています。
歯周病は環境要因、時間要因、病因などの様々な要因が相互に関連して発症と進行する「多因性疾患」のためこれらの要因を取り除いて歯周病と遺伝的要因の関連を解析することは困難でしたが近年の遺伝子解析技術の進歩に伴って歯周病になりやすい遺伝的形質について科学的に解明されつつあると言われています。


歯周病は一度症状が進行してしまうと、治療することで歯の周りの組織(歯茎や顎の骨)が完全に元通りに治るという病気ではりません。虫歯のように一本一本症状が違うということがなく、全体的に進行する特徴を持っています。グラグラしても痛みがないからと言って放置しておくと病状が進行しお口の中の組織に悪影響を及ぼします。

 

【歯周病は必ずかかる病気?】
→歯周病は必ずかかる病気ではありません。「一生懸命ハブラシしているのに歯周病、虫歯になった…」という方もいらっしゃるかもしれません。歯周病を予防するには歯と歯の間、歯と歯茎の境目などかなり行き届いた歯磨きが必要です。自分では十分磨けていると思っていても実際には歯ブラシだけでは不十分なことがあります。デンタルフロスや歯間ブラシを使ったケア、プラス定期的に歯科検診を受け、歯石などを除去することで予防することができます。


【歯周病にかかりやすさはある?】
・口呼吸…口呼吸することで口の中が乾きやすくなり、プラークがたまりやすくなります。また唾液分泌の低下により自浄作用がなくなることから口の中の細菌の活動を高めるなど悪影響があります。


・歯ぎしり、噛み合わせ…歯ぎしりの強い力が歯に加わることで歯の根や周囲の組織(骨や歯ぐき)に負担をかけ骨を特定部分吸収させたりします。噛み合わせが悪いと一部の歯に不自然な力がかかりそこだけの負担が大きくなります。
等様々なケースがあります。

 

《歯周病菌が骨を溶かすメカニズム》
① 食事のあと24時間でプラーク形成(細菌の塊になる)。
② プラークは48時間で唾液と結合して歯石となりそこを住みかとする。
③ 歯周ポケットを作り毒素を出す。
④ 毒素に対して体は免疫細胞を集めて抵抗する
⑤ 毒素が多いと免疫細胞は骨に感染しないように骨を溶かして毒素から遠ざける
⑥ 徐々に周りの骨が溶かされて歯が揺れて抜けてしまう

 

まとめ
歯周病そのものが遺伝することはありませんがなりやすい性質などは遺伝が関連することがあります。しかし歯周病も虫歯も予防することは可能ですので定期的に歯科に検診に行くようにしましょう。杉澤デンタルクリニック行徳ではそれぞれにあった定期的なメンテナンスをさせていただいています。キレイなお口を保っていけるようサポートします!

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
047-317-4908

2018.05.18更新

こんにちは。市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。

歯を失ってしまった時の治療法として、ブリッジ・入れ歯・インプラント治療がありますが・・・
他に「歯牙移植」という治療法があるのをご存知でしょうか?
今回はその「歯牙移植」について説明したいと思います。


歯牙移植とは?
歯牙移植とは、重度の虫歯や歯周病、外傷による歯の破損などによって歯を失ってしまった場所に親知らずや過剰歯、埋没している歯を抜歯して移植する方法です。
移植する歯の根には「歯根膜」と呼ばれる組織も一緒に移植するので、インプラントや入れ歯とは違い生体に対して優しくなじみやすい為、自然な噛み心地を得られます。
歯牙移植をしてから約2~3ヶ月で普通に噛めるようになると言われています。


歯牙移植の条件
・ドナーとなる歯があること
親知らずや過剰歯、また生えている位置の悪い転位歯などがドナー歯として使用できます。

・ドナーとなる歯の形・大きさが合っている
歯の大きさがあまりに違っていると、うまく移植ができません。

・ドナーとなる歯が健康な状態であること
重度の虫歯や歯周病に侵されていると移植をすることができません。

・年齢が若い
40代以下の方が治療の成功率は高いです。


歯牙移植のメリット
・入れ歯のような違和感がない
・周囲の歯を削る必要がない
・自然な噛み合わせが得られる
・アレルギーなどのリスクがない
・保険内の治療も可能なため、インプラント治療に比べ安価


歯牙移植のデメリット

・治療できる条件が限られている
・外科手術が必要
・高齢者では治療の成功率が低下する可能性がある


歯牙移植の流れ
1.口腔内の清掃
健康な口腔環境でなければ歯牙移植はできません。また、歯周病の場合は先に歯周病の治↓療をしてから移植を行います。


2.ダメになってしまった歯の抜歯
抜歯する歯と移植する歯の形・大きさが似ていることが重要です。


3.移植する歯の抜歯
歯根周囲の歯根膜が傷つかないよう慎重に抜歯します。


4.噛み合わせ・大きさを調整して移植
噛み合わせを考えて歯の移植をするので、移植して1ヶ月ほどで骨が回復して歯の揺れ↓がなくなります。


5.歯を固定する
移植してしばらくは歯を固定して骨の回復を待ちます。


6.移植した歯牙の神経の治療を行います。
移植した歯は神経が切れていて、神経が死んでしまうため神経の治療を行うことが多いです。移植する前に神経の治療を行うこともあります。


7.被せ物をセットします。


まとめ
歯牙移植は条件が揃わないとできない治療ですが、親知らずを使った歯牙移植には噛み心地が自分の歯に近く、周りの歯を削らなくて良いといったメリットがあります。
なので、特に症状が出ていない親知らずは無暗に抜かず残しておくのも選択肢の一つです。
歯牙移植は保険が適用される場合とされない場合があるので、もし移植を考えている方がいるなら一度かかりつけの歯科医院に相談してみてください。

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
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2018.05.02更新

こんにちは。市川市にある杉澤デンタルクリニック行徳の松井です。
ゴールデンウィーク真っただ中ですね!
皆さんいかがお過ごしですか?


今回は『歯肉炎と歯周炎の違い』について書いていきます。


歯肉炎と歯周炎の違いは炎症の範囲にあります。
実際は歯肉炎も歯周炎も歯周病の一部です。


歯周病とは口の中の歯周病菌が原因で歯を支えている歯の周りの組織の歯ぐきや顎の骨に炎症を起こす病気で、重度になると歯を失う原因になります。
はじめに歯肉炎が起こり、放っておいてしまうと歯周炎に進行してしまいます。


歯肉炎
歯周病の中で軽度な病気で炎症は歯ぐきのみに限局しています。そのほかの歯の周りの組織は健康なままなので早期に治療を行うことで、元の健康な状態に戻ることができます。

歯周炎
炎症が歯ぐきだけでなく歯を支えている顎の骨にまで拡がり骨の一部が失われている状態です。失われた骨を戻すことは難しく、元の健康な状態には戻れません。
失われた骨の位置で歯ぐきが引き締まり治っていくので、歯ぐきが下がった感覚や歯が伸びた感覚、歯と歯の隙間があいたような感覚があるかもしれません。


歯肉炎の治療法
炎症が歯ぐきの表面付近だけなので、自宅でのケアや歯科医院での治療により元の健康な状態に戻れます。自宅では歯垢をしっかり落とせるようにブラッシング指導を受け、歯ブラシの届きにくい歯間には、フロスや歯間ブラシも併用しましょう。
また毎日の歯磨きで除去しきれない汚れを歯科医院で取ることで早期治療になっていきます。毎日のケアをきちんと行わないと何度も再発しやすい病気なので、定期的に検診、クリーニングも受けましょう。


歯周炎の治療法
歯周炎まで進行してしまうと、骨などの歯ぐき以外の組織まで炎症が拡大してしまい、ていねいな歯磨きだけでは、改善が難しく歯科の治療が必要です。大掛かりな治療になることや、治療も長期間かかることもあります。
軽度の歯周炎では、歯ぐきの中にかくれた歯石を麻酔をした状態で取っていきます。中等度に進行している歯周炎では歯ぐきの中のかくれた歯石取りをした後、経過をみて外科処置や再生療法を行うこともあります。重等度まで進行して保存が難しい場合は、抜かなければいけないこともあります。


まとめ
歯肉炎の状態だと元通りに治りますが、歯周炎に移行してしまうと元通りには戻りません。歯肉炎のうちにまたは歯周炎の場合は早いうちに治療して健康で引き締まった歯ぐきにしましょう。ただ、歯周病は気付かないうちに進行してしまうので、症状が無くても、歯医者を受診して、歯ぐきに腫れがないかチェックしてもらいましょう。また歯周病は再発しやすいので定期的にクリーニングを受けましょう!

杉澤デンタルクリニック行徳の歯科医師は日本歯周病学会認定医です。お気軽にご相談ください。

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