クリニックブログ

2017.02.08更新

親知らず

 

こんにちは。市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。

 

 親知らずの痛みは辛いですよね。急に前触れもなく突然襲ってくる親知らずの痛み。僕はちょうど二十歳で経験したのを強く覚えています。ズキズキ痛く、食事もままならない。虫歯の痛みと違ってすぐにはよくなりません。そういった経験をされた人も多いと思います。


 では、なぜ親知らずが痛くなるのでしょう? 

◎親知らずとは


 親知らずは一番前の歯から数えて8番目に存在する歯で、歯科では親知らずのことを8番とか第三大臼歯や智歯といったりします。

 個人差はありますが、だいたい18歳ぐらいから生えてくることが多く、親元を離れて出てくるから親知らずとも言われています。

◎親知らずの痛みの原因


 まず、親知らずの生える方向が痛む原因の1つになります。
そもそも。一番奥にあって、見えづらく磨くのが難しいのも大きな原因ですが、それを助長させるのが生え方です。前側に傾いて生えて来た時、手前の7番目の歯とぶつかって生えてくることができず、そこのぶつかったところに汚れがたまりやすくなってしまいます。その汚れが取れずに停滞することで、周りの歯茎に炎症を引き起こし親知らずの周りの歯茎が腫れて痛くなってきます。また、その汚れが原因で歯茎だけでなく手前の歯を巻き込んで虫歯になってしまい強い痛みが襲ってきてしまいます。傾いて生えてしまうことで、親知らずは生え切らず、汚れが溜まる部分は目には見えない歯茎の中に存在するため、ご自身でのブラッシングでは汚れを除去するのに限界がある場合があります。
 逆にまっすぐ手前の歯と平行に生えて来た時は汚れがたまるスペースが小さくなり、また汚れが溜まる部分が歯茎の中ではないため、問題が起こりにくくなります。

◎親知らずの検査


 レントゲンで撮影することによって、親知らずの生えている方向がわかります。歯茎に覆われて、生えていないように見える場合があるので、もし親知らずが痛まない場合でも、親知らずの手前の歯の歯周ポケットのチェックを行い、今後問題が起こるリスクも検査してもらうとよいでしょう。

 また、下の親知らずを抜歯するときに大事になってくるのが、下あごの骨の中にある太い神経や血管が走行している下顎管と親知らずの位置関係です。近ければ近いほど、抜歯時に神経への物理的な圧迫などが生じ、知覚麻痺がおこるリスクがあります。通常のレントゲンでは2次元での検査になるため、上下左右の距離はわかるものの、前後的な位置関係はわかりません。そこで、CT撮影を行い、親知らずと下顎管との位置関係を3次元的に検査することもあります。

 

◎親知らずの治療法

 残すメリットと抜くメリットを考えてから治療します。生えているからといって、きれいに生えて問題を起こさなさそうであれば僕は抜歯しないで保存することをお勧めしています。

◎親知らずを抜歯する場合。


 手前に傾いて居た場合、残すことによって手前の歯とぶつかったところに汚れがたまってしまいます。手前の歯の奥の部分から虫歯が進行してしまい、手前の歯までも抜かなきゃいけなくなる危険が及んだりするようなら抜歯したほうがいいでしょう。親知らずが虫歯になるならまだいいとして、手前の歯までも抜かなきゃならなくなるのはどうしても防がなくてはなりません。
 抜歯においては、状況にもよりますが通常クリニックで抜歯することが多いでしょう。下の親知らずの根っこの先端が下あごの中を走る神経と接触している状態では、抜歯時に神経の損傷がおこる可能性があるため、大学病院の口腔外科に紹介してもらい抜いてもらう事もあるかもしれません。(全身麻酔ではありませんし、通常入院はしません)
 通院期間は抜歯の次の日に消毒をして、1週間後に縫った糸をとって、様子を見ることになります。特に下の親知らずは腫れたりすることが多いので、抜く日を慎重に決めたほうがいいでしょう。大事なお仕事やプライベートでの行事の周囲2週間ぐらいは避けたほうがいいかもしれません。費用は保険の範囲内で治療できますので通常は数千円のご負担になることが多いと思います。

 

◎親知らずを残した場合 

 親知らずを残した場合のメリットとしては、もし他の奥歯を抜かなければいけなくなった場合には、残した親知らずを移植して、その歯の代役に出来る可能性もあります。
 例えば親知らずの2つ手前の歯の虫歯がひどく抜歯せざる得ないとき、抜いた6番目の部分に親知らずを抜いて、移植して使える場合があります。絶対できるとは限りませんので、かかりつけの歯医者さんと相談してみる必要があります。


 しかし、やはり磨きにくいのが親知らずです。磨き残してしまい、手前の歯を巻き込んで虫歯になったり、歯周病になったりしないようしなければなりません。親知らずがなければ、磨かなくてもベロやほっぺの動きで自然に取れるような汚れも残ってしまうこともあるからです。
 

ちなみに・・・
歯の中で一番寿命が短いのが親知らずの手前の歯なんです。負担も大きく磨きにくいのが原因と考えられています。

◎まとめ


 少しでも親知らずの問題が大きくなる前に定期的にクリーニングしてもらうことが重要です。リスクが大きいなら早く抜くかどうかを、かかりつけの歯医者さんで相談しましょう。
 杉澤デンタルクリニック行徳では、親知らずと下あごの中を走る神経の位置関係を3次元的に検査できる歯科用CTを完備しております。また、親知らずの抜歯の必要性を検査し、抜歯が必要か否か相談させて頂いておりますので、お気軽にご相談ください!

杉澤デンタルクリニック行徳
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