クリニックブログ

2017.06.15更新

金属アレルギー

 

 こんにちは。市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の石丸です。


 歯科では、虫歯を削った部分の詰め物、歯を全部覆う被せ物、差し歯や入れ歯などに、いろいろな種類の材料を使用します。そんな時に生じる問題の一つに金属アレルギーがあります。実際、私も金属アレルギーではないと思っていたのですが、何気なくアクセサリーを付けた日にアレルギー反応がでてしまい、痛痒いのを覚えています…(:_;)。


 今回はそんな金属アレルギーについて書いていこうと思います!


◎そもそも金属アレルギーとは?
 アレルギーにはいくつかの種類があります。食べ物のアレルギーや花粉症、お薬、金属などたくさんのアレルギーの種類があります。そんなアレルギーは生じる機序によって、Ⅰ~Ⅳに分けられています。食べ物や花粉症など多くのアレルギーはⅠ型なんですが、金属アレルギーはⅣ型のアレルギーになります。


▽Ⅰ型アレルギー
 Ⅰ型のアレルギーは即時型アレルギーと呼ばれ、アレルギー物質が体内に入ることで即時に生じます。食物や花粉症、薬物などが当てはまります。アレルギー物質が体内に入ってだいたい数分から半日以内に生じることが多いです。


▽Ⅳ型アレルギー
 Ⅳ型アレルギーは遅延型アレルギーと呼ばれ、リンパ球とマクロファージという細胞が抗原で異常反応して引き起こると言われております。遅延型アレルギーはⅠ型アレルギーとは違って遅延型と呼ばれるだけに症状がでるまでに1日から2日かかります(※個人差はあるのであくまで目安です)。


※¹リンパ球
脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一種のこと。

※²マクロファージ
(=単球)白血球の一種であり、生体内を走り回る食細胞で死んでしまった細胞や欠片、体内に変な物質が入り込んだ時に異物を消化してくれるもののこと。


◎歯科金属アレルギー症状
〇口腔領域
扁平苔癬(金属近いところにみられるレース状の白い粘膜の角化)、口腔乾燥症、口腔内の灼熱感、顔面痛など


〇全身症状
掌蹠膿疱症 皮膚炎、蕁麻疹、関節痛、倦怠感、めまいなど


◎歯医者さんで使われていて、比較的にⅣ型アレルギーを引き起こしやすい金属
 日本の歯科における保険が適用される金属の詰め物や被せ物は、金銀パラジウム合金という合金が使われています。組成としては銀が50%前後、パラジウム20%、銅20%前後と規格化されています。その他、入れ歯のバネや床の部分などにニッケルやコバルトが使用されています。


〇パラジウム(Pd)
保険内の金属の詰め物や被せものに多く使われていています。パラジウムに対してアレルギーを持つ方が多く、パラジウムを合金として用いない国もあります。


〇銀(Ag)
銀と言っても合金なので、歯の土台としていれると数年後に歯茎が変色してアレルギー反応がでるケースがあります(´・ω・`)…


〇ニッケル
 アレルギーを引き起こしやすい金属です。
※500円玉、100円玉、50円玉にも使用されています。


〇コバルト
 イオン化すると非常にニッケルの作りに似ているので、ニッケルの次にアレルギーが起こりやすいと言われています。

 コバルトも保険内の部分入れ歯のバネの部分に使われています。ニッケルかコバルトのどちらかで部分入れ歯のバネの部分を作ります!!デメリットとしてどちらもアレルギー反応がでやすいとされています(+_+)

◎アレルギー検査はどこでするの??
 一般的には、皮膚科やアレルギー科にて検査を行います。当クリニックでは東京歯科大学病院の臨床検査室に紹介させて頂き、歯科用金属のアレルギー検査をしてもらっております。

〇検査方法
パッチテストで検査をします。
① 金属の液を染み込ませたパッチを皮膚に貼って数日間普段通りの生活をします。
② パッチを剥がすために再度病院へ行きます。
③ 結果、パッチをはがして赤く炎症が起こっていれば、アレルギー反応があったということになります。

◎治療方法
 アレルギー検査から原因となっている金属を徹底的にかつ、慎重に除去します。その金属を削ることで、細かい金属が散らばらないように慎重にとることが必要です。

◎まとめ
 金属アレルギーが発症するのではないか、今現在にお口の中に金属が入っていて現状が大丈夫なのか不安に思われている方もいらっしゃると思います。

 杉澤デンタルクリニック行徳では、患者さまに笑顔になっていただくのはもちろん、いつまでもご自身の歯でおいしいお食事をとっていただくお手伝いの場所でもありますので、お気軽にご相談下さい!!

杉澤デンタルクリニック行徳
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