クリニックブログ

2017.07.20更新

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。毎日暑いですが、夏バテは大丈夫でしょうか。まだ、これからが本番と思うと、汗がでます。熱中症に気を付けなければいけませんね。

今回は歯周病の治療の歯周外科治療について書いていこうと思います。


歯周病の治療には段階があります。


歯周病の精密検査により強く歯周病が進行しているが認められる場合に、通常の初期治療における歯石を取るためのスケーリングやルートプレーニング(麻酔下での歯石取り)だけでは歯周病の進行を止めることが難しいことがあります。その時に行う治療として、歯周外科治療があります。

実際には、歯周ポケットが5mm以上ありかつ炎症が認められる場合に歯周外科治療を行うことが多いです。深いポケットや臼歯(歯根が複数ある)などの複雑な根の形態により、深い歯周ポケットの中に入り込んだ歯石や感染した組織を見ないで取り除くことが難しい場合、歯茎の一部に切開を入れて、歯根やその周りの歯槽骨を見えるようにして、歯周病の原因である感染物質を取り除く方法です。
 
また、感染物質を取り除くだけではなく、磨きやすくして再度汚れが溜まりにくい形態に歯根や歯槽骨の形を修正したり、失った歯周組織を再生させることを目的とした歯周組織再生療法を併用することもあります。


主な歯周外科治療の種類


〇歯肉切除術
 腫れた歯肉を切除することにより、歯周ポケットを浅くします。主に、歯周炎まで進行しておらず、薬物の副作用により歯肉に腫脹が生じ、磨きにくい環境を改善するために、主張した歯肉組織を切除します。

〇歯周ポケット掻爬術
 歯肉の内面(歯周ポケット内壁)を切開することなく、炎症組織を掻き出し、また歯根表面のプラークや歯石を除去します。外科的な侵襲が少なく、高齢者や全身疾患を有する方に用いることがあるが、直視下でプラークや歯石を見ることができないため、取り残すことがある。


〇新付着術
 歯肉の内面を切開し、歯肉を開かないで炎症組織を除去し、歯根表面のプラークや歯石を除去します。歯周ポケット掻爬術と同様に外科的侵襲は少ないが、直視下でのプラークや歯石の除去が難しい。

〇歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)
 歯肉を一部切開し開き(歯肉を取るわけではない)、歯肉で覆われていた歯槽骨と歯根を明示し、プラークや歯石、感染したものを除去し、ポケットの減少や炎症の軽減を目的とします。キレイにした後は歯肉の縫合し、歯周組織の治癒を待ちます。

〇歯周組織再生療法
 フラップ手術などで歯の周りのプラークや歯石、感染組織などをきれいに除去した後、失った歯周組織の再生を目的とします。再生療法には色々な方法や材料が存在します。また、歯の周りの歯槽骨の吸収した形態により、歯周組織再生療法が適応できないことがあります。

歯周外科治療後

歯周外科治療後

◦1~2週間後の縫った糸をとるまでは歯ブラシを当てることもできません。

◦定期的なクリニックでのクリーニングで3~6か月歯の周りをきれいに保ちます。

◦3~6ヶ月後、歯周ポケットの深さや、炎症の有無など歯周精密検査を行い、歯周外科治療後の評価を行います。


まとめ
歯周外科治療は進行した歯周病による炎症の波及を食い止めるためには必要な治療です。しかし、より必要なことは歯周外科治療が必要なほど歯周病を進行させないことにあります。

杉澤デンタルクリニック行徳では進行した歯周病に対する歯周外科治療や歯周組織再生療法を行っております。しかし、歯周病による歯周組織の破壊を防ぐために、定期的な歯周病の検査やメンテナンスを行い、外科的な治療をなるべく少なくしたいと思っています。歯周病が気になる方はお気軽にご相談ください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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