クリニックブログ

2017.09.07更新

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の石丸です。

今回は唾液について書いていきます!
そもそも唾液とは、唾液腺から分泌される液のことを言います。唾液腺は3つの大きな唾液腺(大唾液腺)と5つの小さな唾液腺(小唾液腺)があります。

◎大唾液腺
〇耳下腺:耳の前あたりにあり、上の大臼歯の頬粘膜から唾液が出てきます。
〇顎下腺:顎の下に存在し、舌の前の下から分泌します。
〇舌下腺:舌の下に存在し、顎下腺と同様に舌前方の下の粘膜から分泌します。

◎小唾液腺
〇口唇腺:口唇の裏側の粘膜に存在し分泌します。
〇口蓋腺:口蓋の粘膜に存在し分泌します。
〇頬腺:ほっぺの裏の粘膜に存在し分泌します。
〇臼歯腺:奥歯の奥の方の粘膜に存在し分泌します。
〇舌腺:舌に存在し分泌します。

このように、唾液腺は大小多く存在し、口腔内の様々な部位から出ています。


 また、人間は1日におよそ1000㎖~1500㎖ほど分泌されると言われています。その唾液の性状は「ねばねばした唾液」と「さらさらした唾液」の二種類あります。

〇ねばねばした唾液
 主に交感神経にコントロールされています。交感神経とは自律神経のひとつで、緊張したときに活発に働くとされています。ねばねばした唾液は納豆などに含まれている“ムチン”というねばねばとした成分が含まれていてこの成分が体内に侵入しようとしている細菌をストップさせてくれたり、お口の中の粘膜を保護、保湿するなど「身体を守ってくれる役割」があります。緊張するとお口が乾くのは、さらさらした唾液が出ていなく、このねばねばした唾液が出ているからなんです。


〇さらさらした唾液
 主に副交感神経にコントロールされている。ねばねばした唾液と同じで副交感神経も自律神経のひとつで、リラックスしているときに活発に動くとされています。
さらさらした唾液は食事中に多く分泌し、消化を助ける酵素を多く含んで食べ物を湿らせて飲み込みやすくするなど「消化吸収を助ける役割」があります。うとうとしたときにお口から唾液が出てきそうになるのは、このさらさらした唾液が出ているからなんです。

【唾液の役割】

▼抗菌・殺菌作用
 唾液にはリゾチームやラクトフェリンなどの抗菌作用のある物質が含まれており、お口の中に病原菌等の細菌の繁殖を抑えて感染を防ぐ働きのことを言います。リゾチームは細菌の細胞の壁を破壊し死滅させます。またラクトフェリンは鉄イオンと結合する特徴があり、細菌が必要としている鉄イオンを奪います。
 唾液が減少すると口臭が増える可能性があります。これは抗菌作用が減少し細菌が増殖し、細菌の出す口臭原因物質が多くお口の中で産生されてしまうからなんです。


▼消化作用
 唾液の中にある消化酵素、“アミラーゼ”はデンプンを分解して食べ物の消化を助けて体内へ吸収させます。よく噛んで唾液の分泌を増やさないことにはちゃんと消化されず、胃腸に負担がかかってしまいます。


▼自浄作用
 歯(表面、歯間)に付着したプラークや食べ物のカスを洗い流してくれる働きがあります。
※唾液の分泌量が多ければ多いほど洗い流せますが、唾液の量が減少してしまうと十分に分泌されないで流れが悪くなることがあります。例えばスナック菓子など歯に粘着性のある食べ物は唾液が十分に分泌されないで流しきれないことがあるので、食べた後は十分に歯磨きをする必要があります。


▼修復作用
 歯の再石灰化を担います。唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンにより、酸によって溶けだした歯の表面に作用し、エナメル質のアパタイト結晶を新しく形成し、元の状態に修復してくれます。
 また、唾液の成分である上皮成長因子(EGF)はお口の中の粘膜の傷を早く治してくれます。皮膚の傷より、お口の傷の方が早く治りやすいですよね!唾液が少ないとなかなか傷も治りにくくなってしまいます。


▼潤滑作用
 発音など口や顎を使うときに唾液自体が潤滑油のような働きをしてくれます。食べ物を食べているとき飲み込みやすいように助ける働きもしてくれます。


▼pH緩衝作用
 通常口腔内は中性pH6.8前後で保たれています。pHが酸性に傾いたら歯のエナメル質が溶解して虫歯になる環境を作ってしまうので、酸性を中性に中和させることをpH緩衝作用と言います。
 唾液のpHが高い人ほどこの作用が強く、エナメル質の表面が溶けだすことを防いでくれるので、虫歯になりい人の特徴でもあります。しかし、pHが高いと石灰化が強くなるため、歯石ができやすくなり歯周病に気を付けなければなりません。特に顎下腺や舌下腺の大唾液腺は舌の下の粘膜から分泌するため、下の前歯の裏についたプラークが石灰化しやすく、前歯の裏に歯石が沈着しやすいです。


虫歯についてはこちら!!https://www.sugisawa-dentalclinic.com/blog/2017/03/post-7-433618.html


▼粘膜保護作用
 お口の中の粘膜を守って、口腔内が乾燥しないように防いだり、刺激でお口の中が傷つかないように防ぐ働きのことを言います。


◎唾液が減るとおこる症状
✔会話がしにくくなる
✔飲み食いがしにくくなる
✔口腔内が乾きやすくなる
✔口内炎・口角炎ができやすくなる
✔虫歯や歯周病になりやすくなる
✔口臭がする
✔舌や唇がひび割れる


◎唾液が少なくなる原因
✔生活習慣病
✔病気や薬の副作用によるもの
✔生活環境の変化


◎唾液をたくさんだすためには…
✔よく噛むように心掛ける
✔ガムを噛むことによって唾液の分泌を促す(フッ素入りのものがオススメ♩)
✔唾液腺のマッサージ(耳の前からほっぺの方に、または顎の下の後方から前方へ)


◎まとめ
 長生きが決まるのは唾液とも言われているくらい大事な働きをしています。唾液は年齢とともに減っていくと言われていますが、よく噛む習慣をつけて唾液腺を刺激してなるべく唾液を分泌させるようにすることがカギとなってきます。特に、唾液の量や性状によって、歯周病になりやすい人や虫歯になりやすい人になっていることになります。 
 杉澤デンタルクリニック行徳では、虫歯になりやすい人や歯周病になりやすい人それぞれへの治療やメンテナンスを考えお薦めしております。お気軽にご相談ください。

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
047-317-4908