クリニックブログ

2017.10.04更新

こんにちは、市川市行徳にございます杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。

 

『歯を失ってしまった』または『これから抜かなければならない』という場合、その失ったまたはこれから抜く歯の部分を補う必要があります。その補う方法には、主にブリッジ治療と入れ歯の作製、インプラント治療の3つがあります。今回はそのインプラント治療について書いていこうと思います。


インプラント治療とは

現在のスクリュー型インプラント治療は1965年スウェーデンで始まりました。日本では1983年に初めてチタン製のインプラント治療が始まりました。それから様々研究や改良がなされ、表面の性状や形など変わってきていますが、現在もチタン製でスクリュー型のインプラントが主流となっています。


チタン製のインプラント体を顎の骨(失った歯の部位)に埋入し、そのインプラント体に被せ物を機械的(ネジにて)または化学的(セメントにて)に結合させて、失った歯を補います。

治療期間としてはその失った部位の状態にもよりますが、インプラント治療を始めてからだいたい、4~6か月で最終的な被せ物が入ります。健康保険がきかない治療のため、費用も高く、期間が長い特徴があります。


他の選択肢となるブリッジや入れ歯と比べると?

〇メリット

・周りの歯を削る必要がない。
→特にブリッジは両隣をやや大きく削る必要があります。
 
・周りの歯に負担をかけなくて済む。
→ブリッジや入れ歯は失った歯の咬合力などの負担を周りの歯が担うことになります。


・装着違和感が少ない。舌触りがいい。
→入れ歯のような違和感はなく、取り外しではないため、装着感がいい利点があります。


・噛み心地がいい。
→咬合力に対して動いた入りしないため、入れ歯よりしっかり咬むことができます。
 
・取り外す必要がない。
→歯科医が取り外せるように設計することが多いですが、患者様ご自身で取り外すことは基本しないです。


・審美的に優れることが多い。
→入れ歯の金具などがないため、審美的に優れることが多いです。


〇デメリット

・費用が高い(健康保険がきかない)
→健康保険が適用にならないため、保険外診療になり費用が高くなります。


・治療期間が長い
→インプラント体が骨としっかり結合するのを待つ必要があり、治療期間がかかります。一般的に終わるまでの期間は長いですが、通院回数が多いわけではありません。


・あくまで異物を体内に入れている為、慎重なメンテナンスが必要。
→ご自身の骨の中に入っているのは、いくら生体親和性があっても異物です。その異物に汚れなどが付着すると、インプラント体をさせる骨が急激に吸収する恐れがあるため、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。


・外科治療が必要。
→インプラント体を歯槽骨に埋入するための外科手術が必要です。もちろん一般的なインプラント治療の手術は局部麻酔下で行い、入院する必要はありません。


・全身的疾患によっては制限がある。
→外科手術が必要であるため、循環器疾患や重度の糖尿病など全身疾患によっては手術ができないことがあります。


私が考える一番のメリットは『周りの歯を削らなくて済む』と『負担をかけない』、というところと思っています。歯は削ってしまうともう戻ってきません。入れ歯やブリッジの咬む力の負担は周囲の歯にかかります。負担が大きくなった歯は破折や歯周病などのリスクが増します。インプラント治療はその負担を周囲の歯にかけずに済みます。

インプラント治療によって周りの歯を削らなくて済むことは大きなメリットです。逆に、周りの歯がもうすでに削られている歯であればインプラント治療でなくてもいい場合もあると考えています。
 

インプラント治療の流れ

1.術前検査
 歯周病検査、レントゲン検査、歯科用CT検査や最終的な被せ物の想定などインプラント治療部位の検査や全体的な検査


2.インプラント一次手術
 歯を失った骨の部位にインプラント体を埋入します。埋入後再度歯肉を縫合し、外からの細菌の侵入を防いだ状態で、インプラント体と骨の結合を待ちます。


3.インプラント二次手術
 一時手術後に再度歯肉を切開し、インプラント体と土台の形のような歯肉の形を最初に整える器具を装着します。
 部位や状態によっては一次手術後すぐに器具を装着し、二次手術を行わない場合があります。


4.型を取りインプラント上部の仮歯を作製し、最終的な歯肉の形態を整えたり、実際の歯の形でかみ合わせや見た目などをチェックする。


5.最終的な上部構造をセット


6.定期的なメンテナンス


インプラント治療と歯周病
インプラント体は歯を失った部位の骨によって支えられています。インプラントは虫歯にはなりませんが、歯を支える骨が溶ける歯周病のようにインプラントを支える骨が溶ける可能性があります。またその溶けるスピードはご自身の歯の時より早く溶ける可能性が高いです。よって、現状のお口の中において歯周病が進行している状態でのインプラント治療はインプラントを早く失う大きなリスクとなります。

また、今は歯周病が安定していても重度の歯周病の既往がある場合は、重度の歯周病の既往がある人の方がない人よりインプラントを失うリスクが高いという研究結果もありますので、十分慎重なメンテナンスが必要と考えられます。


まとめ
インプラント治療は失ってしまった歯を補うための良い治療方法です。しかし、その状況によっては他の方法の方がいい場合もあります。歯を失った原因や現在の状況や既往歴、全身状態、部位や時間的や経済的制限など色々な状態を考慮し、他の方法もしっかり考え相談し決定するのがいいと思っております。

杉澤デンタルクリニック行徳でも、色々な検査や患者様の背景など総合的に考慮し相談して、インプラント治療を行うか、または他の方法を選択するか決めております。お気軽にご相談ください!

杉澤デンタルクリニック行徳
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