クリニックブログ

2018.03.02更新

こんにちは。市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。

ふと前歯がぐらつく?

指や舌で前歯を触ると動く気がする!?

と感じられたことがある方もいらっしゃると思います。今回は歯の動揺について書いていこうと思います。


歯の動揺の原因

〇歯周病
歯周病は歯周病原細菌による感染によって、歯の周りの組織の破壊が生じる病気です。その中でも主に歯を支えているのが歯槽骨という歯の周りのあごの骨です。その歯槽骨が吸収されることにより、歯は支えがなくなることによって動揺していきます。

特に前歯は骨に埋まっている歯根の本数や長さが短いため、奥歯に比べ少ない量の骨吸収で早期に動揺し始めることが多いです。


〇歯ぎしりや食いしばり
歯周病がなくても歯がぐらつく原因で多いのが歯ぎしりや食いしばりで、歯への過重負担が大きくなり、動揺することがあります。また、歯ぎしりや食いしばりは歯周病による歯槽骨の吸収を早めてしまう歯周病増悪因子でもあります。

無意識にしてしまうことがあるため、歯ぎしりや食いしばりが原因なのかご自身ではわからないことが多いです。歯周病がないか、歯の表面の摩耗がないか、かみ合わせのチェックにより見極める必要があります。


〇差し歯の不適合
差し歯の適合が悪く、外れそうなときにぐらつくことがあります。差し歯だけでなく、中の土台ごと外れそうなことが多いです。歯ごと動揺しているのか、または差し歯だけが動揺しているのかを検査する必要があります。

歯の動揺の程度
Millerの分類

動揺度0度
生理的動揺であり正常な動揺です。正常でも0.2mm以内の動揺があります。


動揺度1度
初期の動揺であり、0.2mmを超えて1.0mm以内の動揺です。


動揺度2度
中等度の動揺です。1.0mmを超え2.0mm以内の動揺を示す状態です。


動揺度3度
重度の動揺です。2.0mmを超える動揺を認め、また、歯が前後や左右ではなく上下方向にぐらつく状態です。


歯の動揺の治療法

〇歯周病が原因による動揺
歯周病の治療により炎症の波及を食い止める必要があります。また、炎症の改善により失われた骨が少しながら戻ってくることもあります。大きく歯槽骨を失ってしまったときには、歯槽骨の吸収形態によっては歯周組織再生療法により歯槽骨の再生が期待できることもありますが、期待できない場合は、周囲の歯と材料にて固定することによって動揺を抑える治療を行います。


〇歯ぎしりやくいしばりが原因の動揺
歯周病による炎症が認められない場合は、歯ぎしりや食いしばりをやめることで自然と歯の動揺が消失することがあります。しかし、無意識にしてしまう場合はやめることができません。その場合はマウスピースを装着するか、かみ合わせに異常がある場合はかみ合わせの調整を行う、周囲の歯と固定するなどして動揺を減少する方法をとります。


〇差し歯が不適合による動揺
差し歯が不適合になることにより、歯と差し歯の間に隙間ができ、その隙間から装着時のセメントが流れ出すことにより差し歯がぐらつき始め取れてしまいます。その場合は、差し歯を作り直す治療を必要とします。

まとめ
歯のグラつきは色々な原因で生じることがあります。その原因を検査にて把握し、その原因を取り除く治療をする必要があります。歯の動揺は重度になればなるほど治りにくくなります。特に気が付きやすい前歯のグラつきなどに気が付いた時は早めのチェックをお勧め致します。

杉澤デンタルクリニックでは歯周病や歯ぎしり食いしばりや被せ物の適合などを検査し、その検査結果をもとに十分相談のうえ治療を行っております。お気軽にご相談ください。


杉澤デンタルクリニック行徳
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