クリニックブログ

2018.08.06更新

こんにちは。千葉県市川市行徳にございます杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤と申します。歯周病と虫歯は日本人の歯を失う原因の1位と2位であり、多くの割合を占めています。その歯周病と虫歯にも関連性があり、歯周病が進行すると虫歯ができやすくなり、また、虫歯は歯周病の進行のリスクファクターになります。今回は歯周病と虫歯の関連について書いていこうと思います。

歯周病とは・・・
歯周病は歯の周囲に沈着したプラークの中に存在する歯周病原細菌による感染によって、歯周組織に炎症性の破壊が生じる病気です。一般的は歯慢性的に進行するため、症状も少なく発見しづらい病気です。

歯周組織には歯肉と歯槽骨、セメント質、歯根膜の組織が存在します。これらが細菌感染によって生じた炎症により破壊されていきます。その破壊が進行すると、歯の支えは減少し、歯肉は下がり歯が長くなったように見えていきます。


虫歯とは・・・
虫歯は歯の表面に付着したプラークの中の虫歯菌が産生する酸により、歯の表面が脱灰(溶ける)することにより生じます。一時的に歯の表面が脱灰されても、口腔内の唾液の作用により再石化が起こり歯が溶けるのを防止しているのですが、歯の表面に多くの量の酸や長時間停滞することで脱灰の量が再石灰化を上回ることで虫歯は進行してしまいます。また、歯の硬さや唾液の量により虫歯の進行具合に影響がでてきます。

歯周病が進行すると虫歯ができやすくなる
歯周病が進行することにより、歯を支える歯周組織が減少していきます。単純に歯茎が下がることで歯の表面の露出量は広くなり、虫歯になる面積が大きくなります。また、もともと見えていた歯の部位はエナメル質といって、人体で最も硬い組織によって覆われています。しかし、歯肉が下がることで歯冠だけでなく歯根が露出していきます。歯根表面にはエナメル質よりも弱いセメント質によって覆われています。したがい、エナメル質よりも弱いセメント質は虫歯菌の出す酸により脱灰しやすく虫歯になりやすくなってしまいます。


虫歯ができると歯周病になりやすくなる
虫歯ができることにより歯には穴が開いてしまいます。その穴には虫歯菌だけでなく歯周病原細菌も多く存在する可能性が出てきます。その穴は歯ブラシが届きにくく、細菌の量が多くなり、また長時間停滞することになってしまいます。また、歯と歯の間で虫歯になると歯と歯の間に食べ物は挟まり易くなり、歯と歯の間に詰まった状態はなかなか自然に取れないため、歯周病原細菌が歯周組織に感染する機会が多くなってしまいます。

まとめ
歯周病と虫歯の成り立ちは異なっています。しかし、各々が進行することに互いの発症リスクは高くなり、歯を失うリスクも自然と高くなってしまいます。逆に歯周病が進行しなければ虫歯になるリスクが小さくなり、虫歯にならなければ歯周病のリスクも減少します。よって、この歯科の二大疾患を予防または治療することはいつまでもご自身の歯で美味しく食事ができる大きな要因となることが考えられます。そうなるために歯周病になってしまったり虫歯がある場合は早めの治療を、健全な状態を保持するための定期的な検査やメンテナンスを強くお勧め致します。

杉澤デンタルクリニック行徳
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