クリニックブログ

2017.09.28更新

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の菊地です。

暑い日も過ぎて過ごしやすい季節になりましたね。朝晩と日中の温度差で体調を崩したりしていませんか?


さて今回は「歯周病になりやすい人の特徴」についてお話したいと思います。


久しぶりに歯科医院に検診に行ったら歯周病だと言われた…または最近歯磨きすると歯茎から血が出る…歯周病が気になる、このように感じたことはありませんか?今の自分のお口の中の状態を知る、自分は歯周病になりやすいタイプなのか知っておくことでこれからのケアの仕方が変わっていくと思います。


歯周病になりやすいタイプ

・口腔細菌のなかで歯周病菌の占める割合が多い
・歯並びが悪い
・口呼吸をしている
・歯ぎしりや食いしばりをする
・頻繁に間食をする
・長い期間喫煙をしている
・不規則な生活をしている
・糖尿病を患っていて食事制限などのコントロールをしていない
・歯のトラブルの経験が少なく、あまり歯科医院に行ったことがない


歯周病になりやすいタイプの方はお口の中の衛生状態に問題がある場合が多いです。虫歯も歯周病もなりやすいタイプの食生活やお口の状態等はとてもよく似ています。どっちになりやすいかは食生活などの改善できる要素ではなく元々どちらの菌を多く持っているかという点で決まります。
とは言っても虫歯になりやすい菌と歯周病になりやすい菌のどちらかを多く持っているかの割合を正確に判定することはできず、明確にタイプ分けするのは難しいのが現状です。

 

なかには歯周病にかかりにくいという方もいらっしゃると思いますがほとんどの方が歯周病になりやすいか虫歯になりやすい、もしくは歯周病にも虫歯にもなりやすいと考えておく方がお口の中のトラブルを予防していくうえではいいことかもしれません。

 

歯周病になりやすいタイプの人の予防方法

 

歯周病は虫歯に比べて自覚症状が現れにくいため発見が遅れてしまう可能性が高い病気です。特に歯科医院での治療の経験が少ない人は気付かない間に歯周病を悪化させてしまうことが多いのです。気が付いたら歯が揺れてきた…ということにならないため、歯周病と無縁な生活を送るために早期発見や早期治療だけでなく予防対策を行うことも大切と言えると思います。

 

また噛み合わせが良くない人や歯ぎしりの習慣がある人は歯に負担が多くかかってしまうため歯周病にかかりやすくなります。虫歯や歯周病のチェックだけでなく噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりのチェックを受けるのもお勧めします。そのような習慣がある人は就寝時に装着するマウスピースを作成して歯周病の予防をすることもできます。

 

歯科医院にかかることはもちろんのこと、日々のケアが大切な予防策のひとつです!
そのケアの仕方を知るため、確認のために定期検診に行くことが必要になってきます。


まとめ

ご自身に思い当たるような点はありましたか?痛みがない、自覚症状がないからと言って油断はせずに歯科医院でチェックを受けることは大切です。自分はどのようなタイプなのか知ることによってこれからの日常のケアの仕方も変わってくると思います。
現在は虫歯よりも歯周病の患者さんが増えてきていると言われています。歯周病は症状が進んでも自覚症状がほとんどないことが特徴ですので重症になる前に検診をうけることが大切になってきます。
前回の渡邊さんが書いてくれた「虫歯になりやすいタイプ」を読んでいただけると自分がどちらのタイプなのか分かりやすいかもしれません(^^♪

https://www.sugisawa-dentalclinic.com/blog/2017/09/post-35-516242.html

杉澤デンタルクリニック行徳では検診も虫歯のチェックや歯周病の詳しい検査の方も行っておりますのでお気軽にご相談ください!


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2017.09.21更新

こんにちは。市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。

 

毎日、一生懸命頑張って歯を磨いているのになぜか虫歯になってしまうという方はいらっしゃいませんか?
虫歯になってしまうのには原因があります!!!
虫歯になりやすい人の原因や特徴、そして予防法について説明したいと思います。


◆虫歯になりやすい原因

虫歯のなりやすさ、歯の強さなどはその人の体質に関係があります。しかし、大きな原因としてあげられるのが唾液の量と質、歯並びです。


歯の表面はpH5.5から下がると溶け始めます。通常のお食事でもお口の中のpHは5.5より下がります。特別pHが低い食べ物でなくて、普通のご飯でも下がっていきます。なぜならごはんに含まれる糖分を口腔内の細菌が分解し、酸を一斉に放出するからです。だから、誰でも毎食後はpHが5.5より下がります。毎食時に歯が溶けるの?と思われるかもしれませんが、溶けているのは事実ですが、それを毎回修復(再石灰化)してくれているのが、唾液なのです。食後、唾液が30分ぐらいで溶けた歯の表面を元通りに戻してくれるのです。唾液は口の中の虫歯菌が増えないようにする作用や菌を殺菌する作用、食後の酸性になった口の中を中性に戻して、歯が溶けないようにする再石灰化など様々な働きをしています。


だから、唾液の量が多いほど、またpHが高いほど修復作業や早くpHを挙げて歯が溶ける時間を少なくしてくれます。しかし、だらだら長い時間食べていたり、歯にくっつきやすいお菓子など、常に口の中にものが入っていると、酸性の状態が続き再石灰化が起きづらくなり、虫歯になるリスクを高めてしまします。間食してしまう方や飴・ガムをよく食べる方は注意が必要です。


歯についた汚れを落としてくれるのは歯ブラシだけではありません。先ほどの唾液もそうですが、歯の周りの頬の粘膜や口唇の裏側、舌が動くときに歯についた汚れを落としてくれます。このことを自浄作用といいます。この自浄作用は歯並びがキレイに整っているほど起こりやすいです。前歯で前後にずれている歯になってらっしゃるかたはお気づきかもしれませんが、その裏側の歯に着色が付きやすくありませんでしょうか?これは、口唇の自浄作用が裏側の歯に起こらなく、汚れが付きやすくなっている為です。このように歯が曲がって生えていたり歯が重なって生えていると、単純に歯ブラシで磨きにくいだけでなく、周囲組織の自浄作用も期待できなくなり虫歯になるリスクが高くなってしまいます。

◆虫歯になりやすい人の特徴

・唾液の量が少ない
・唾液のpHがやや低い(酸性より)
・歯の硬さが弱い
・口の中の虫歯菌が多い
・歯並び、噛み合わせのバランスが悪い
・頻繁に間食をする(お菓子やジュースなど…)
・歯磨きが不十分


◆虫歯になりにくい人の特徴


・唾液の量が多い
・唾液のpHが高い(アルカリ性より)
・虫歯菌が出す酸への耐性に優れていて、もともと歯が強い(硬い)
・歯並びが整っている
・間食をあまりしない
・毎日正しく歯磨きをしている
・定期的に歯科医院で検診を受けている

◆予防法


・虫歯になりやすいお菓子やジュースをなるべく少なくする
・食事中に水やお茶を多くとりpHを下げないようにする
・食事時間や回数を適切にする
・矯正治療にて歯並びを整える
・定期的に歯科で検診を受けたり、フッ素塗布などを行い歯を強化させる

◆まとめ
虫歯になりやすい人は、虫歯になりやすい食べ物を好む傾向がある場合は、食生活の見直し・管理をすることで口腔内の環境を改善する必要があります。
しかし。虫歯になりやすい人は唾液が少なかったり、pHが標準より低かったり、歯そのももの硬さが低いなどの可能性があり、周りの標準な方たちと同じように食事したり、毎日磨いていても虫歯になってしまうことも考えられます。

虫歯になりやすいと思われる方は、周りと同じような生活では虫歯になるリスクがあるため、より虫歯にならないような努力が必要になります。その努力は、毎日の歯ブラシを頑張るのもそうですが、定期的にデンタルクリニックで検診やメンテナンスを受けることも重要だと思います。もし、ご不安な方は杉澤デンタルクリニック行徳にお気軽にご相談ください。

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2017.09.14更新

こんにちは。市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の松井です。

歯石を取るのに何回か通うことになったという経験はありませんか?
なんで一度で取れないのかな~と思う方もいるかもしれません。
今回は歯石取りで何回か通う理由を書いていきます。


歯石取りに何度かかかるのは、歯周病にかかっていることが考えられます。
歯周病は、はみがきをすると出血するぐらいで、ほとんど自覚症状ないまま進んでしまう特徴があります。


◎歯周病
歯周病とは歯を支える周りの組織の病気です。歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先が行き届かないでいると、そこにプラーク(歯垢)が停滞し歯ぐきが赤くなったり、腫れたりします。そして進行すると歯と歯ぐきの境目が深くなり(歯周ポケット)歯を支えている土台の骨(歯槽骨)が溶けて下がっていきます。
重度になると支える骨がなくなってしまうのでグラグラ揺れてきて最終てきには抜けたり抜かなくてはいけない状況になります。


◎歯周病の原因
歯周病の原因は歯垢(プラーク)=細菌の塊です。(歯垢1mgに10億個もいます!)
歯垢は唾液の中のカルシウム成分などと混ざり歯石になります。(48時間で歯石になり始めると言われています)
歯石は無数の穴があいていたり表面がザラザラしていて、歯周病の原因の細菌の格好の棲みかになってしまい、歯石ができてしまうと歯の周りの細菌が増えてしまいます。
歯石は歯の表面についていて見えている歯石と歯ぐきの中の隠れている歯石とあります。


◎歯周病の治療
歯周病の治療には患者さん自身が毎日行う「セルフケア」と歯科医師、歯科衛生士が行う歯石取り「プロフェッショナルケア」の両方が必要になってきます。


プロフェッショナルケアではまず、、、表面に見えている歯石や着色をとって、セルフケアをしやすくします。
表面の歯石を取ることで歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間にブラシの先が当たりやすくなり、原因の歯垢がセルフケアで除去しやすくなります。


次に歯ぐきの中に隠れている歯石を除去していきます。
目で直接見ることができないので、歯と歯ぐきの間に専用の器具を入れ歯石がどこにあるか探って1本1本丁寧にとっていくので、時間がかかります。出血があると血液で歯石が隠されてしまい取り残しが増えてしまうので、事前に表面の歯石取りとセルフケアで炎症を減らしてから行うのが理想です。


歯ぐきの深いところを触り、歯茎の中の歯根面に沈着した歯石をとると痛みが伴いますので麻酔をして行います。一回で全体的に麻酔して歯石をとる方法もありますが、お体への負担が大きくかかりますので、1回に4本から6本の歯の周りの歯ぐきの中の歯石を麻酔下で除去するのでお口の中全部の歯ぐきの中の歯石取りをすると、6回(右上、左上、上前歯、右下、左下、下前歯)ほどかかります。


ひと通り歯石を取り終えたら、どのくらい良くなったか、歯石を取り残してないか、炎症は減ったかなど検査し次の治療に進むか、もう一度歯ぐきの中の歯石取りをするか、メンテナンスに移行できるかみていきます。


重度の歯周病がある場合は歯ぐきを切ってめくり歯の根っこを直接見て歯石を除去してくこともありますが、患者さんの負担もありますので、相談して決めています。


◎メンテナンス
1か月~3か月の間隔で、プロフェッショナルケアをうけ、健康になった歯ぐきを保つお手伝いをします。


◎まとめ
健康に近い方だと歯石取りは数回(1~2回)でメンテナンスに移行できますが、歯周病が進行すればするほど回数は多くかかってしまいます。
歯周病は時間をかけて進む病気で、治る時も同じように時間がかかります。進行してしまうと治療期間が半年から1年ほどかかってしまうこともあります。


歯周病は気付かないうちに進んでしまいます。ひどくなってしまう前に一度杉澤デンタルクリニックに検診にいらしてください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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2017.09.09更新

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。

 
 急に前触れもなく歯が痛くなったり、前々から違和感はあったんだけど痛みが増してきた!など、歯の痛みを経験されたことがある方は比較的多くいらっしゃると思います。そして、歯の痛みは強烈であり、我慢できなかったり、痛み止めが効きにくかったりします。今回はその歯の痛みの原因と治療法について書いていこうと思います。


【歯の知覚機構】
まず体の表面感覚には下の5つの感覚が存在します。
〇 触覚(触られた感覚)
〇 圧覚(押された感覚)
〇 冷覚(冷たさの感覚)
〇 温覚(温かさの感覚)
〇 痛覚(痛みの感覚)

 ある刺激をそのつかさどる感覚の神経の末端(一番先端)のセンサーが感知し、その信号を脳に伝達して、感覚がわかる仕組みになっています。


 痛覚のセンサーが多い場所は痛みを感知しやすいし、逆に少ない部分は痛みを感じにくい部位ということです。肘の裏などは痛覚が少なく、つねっても痛くないですよね!?


 また、その感覚を感知する神経のセンサーはそれぞれの感覚によってことなり、またその神経の太さなどもそれぞれ違います。神経の太さなどによって、その感覚がわかるスピードなども変わってきます。太い神経ほど早く伝わります。(スピードが速い順序=神経が太い順:触圧覚→冷温覚と強い痛覚→痛覚)


 また、細い神経ほど他の影響も受けやすく、例えば歯を抜く時の麻酔で痛みは抑えられますが、抜かれている感じや押される感じは残ることを感じた経験ございませんか?歯科医からも抜歯時に「押されている感じはありますよう」と言われたことはないでしょうか?痛覚をつかさどる神経は細く麻酔の影響を受けやすいため、痛みは感じないが、太い神経の触圧覚はやや影響を受けずに残るためです。


 そして、歯の中にも神経がありますが、実はそこには痛覚をつかさどる神経しかないのです。触られた感じや冷温覚の神経は存在しておりません。

 
 でも、歯を触った感じや押される感じはあるのでは?と思われるかもしれませんが、それは歯の周りの歯根膜という歯周組織に存在し、その感覚をお覚えます。歯が浮いた感じなどは歯周病や根の病気など歯の周りの炎症が原因で感知していることが多いのです。

 
 でも冷たいものや温かい感じはどうなの?とも思われるかもしれませんが、熱の刺激は歯の象牙質の中にて水の動きで神経に伝わりますが、結局痛覚として感知します。冷たいものや熱いものはしみるという痛みとして感じますよね?

 
 歯の中にある痛覚にも二つの種類があり、鋭い痛みを感じとるAδ神経線維という神経と鈍い痛みを感じとるC神経線維があります。(太さ:Aδ>C)Aδ神経線維が感知すると強く鋭い歯の痛みとして感じ、C神経線維が感じ取ると、ジワジワくる鈍痛として感じます。


【歯の痛みの特徴】

◆ 何もしなくても痛い!!

〇虫歯

 歯の中に細菌の感染が強く認められると、何もしなくてもズキズキ痛みます。虫歯が進行し、ついには歯の内部の神経のある部屋にまで、虫歯が到達してしまうと強烈な痛みが襲ってきます。自発痛といい、なんの刺激もないのに生じる痛みがある場合はやや進行していることが予想されます。
<治療>
 ここまで、強い痛みがある場合は、神経をとる治療が必要なことが多いです。レントゲンや他の検査もしてからの総合的な判断になりますが、虫歯が原因で強く痛む場合は神経をとらなければならないことが多いです。

〇根の病気
 もし、神経がない歯なのに強い痛みがある場合は、根の病気が原因かもしれません。神経がない歯、または神経が死んでしまった歯の中で細菌が繁殖すると歯の根の先端に膿ができてきます。慢性的な病変なので症状がなく進むことが多いですが、免疫力の低下などが引き金になり、急に強烈な痛みが出てしまうことがあります。でもまた、慢性に戻り、症状が落ち着くこともありますが、原因を取り除かないと、また急性に転化し痛みが襲ってくることが予想されます。
<治療>
 根の中の細菌を取り除く治療である根管治療が必要です。根の中の細菌が減少すると、膿はなくなり症状も落ち着いていきます。神経が残っているかどうか、十分な検査をする必要があります。痛みが強い場合、抗生物質を服用することもあります。


◆ 冷たいものや温かいものでしみて痛い!!

〇虫歯
 特に冷たいものでしみるときは虫歯の初期症状であることが多いです。また、温かいものがしみるときは虫歯がやや進行していることが多いです。冷たいものがしみるようになったら早めに虫歯がないか歯科医院にて検査するのが賢明です。
<治療>
 まだ、神経まで達していないようなら、虫歯を取り除き詰め物にて歯の形を回復させます。しかし、虫歯がなくてもしみる場合がありますので、検査を行い鑑別診断が必要です。

〇知覚過敏
 虫歯ではなくても特に冷たいものがしみる場合があります。知覚過敏です。歯茎がさがったりすると、今まで覆われていた歯質(象牙質)が露出し、神経までの距離が短くなったり、象牙質はエナメル質より神経までの刺激を通しやすいため、冷温刺激で痛みとして感じます。しかし、それは一過性で自然に治癒することもあります。
<治療>
 その症状の強さにもよりますが、自然に治ることもあるため経過観察にて様子を見る場合や、象牙質の細かい管を塞いで刺激が伝わりにくくするためのしみ止め剤や知覚過敏用の歯磨剤を用いることが多いです。しかし、歯がえぐれていたり、症状が強い場合は樹脂をしみる部分に張り付けて、刺激を遮断させる治療も行います。歯茎がさがる原因として歯周病があります。もし歯周病が認められたらさらに歯茎が下がっていきますので、歯周病の治療が必要になります。


◆ 咬むと痛い!!

〇根の病気
 神経がない歯で根の先端に膿をもっている状態では、噛むことで歯に咬合力がかかり、その力が根の先端に伝わり痛みが生じる場合があります。
<治療>
根管治療により根の中の細菌を取り除く必要があります。細菌が減少すると根の先端の膿は治癒しもともとあった骨に回復し、咬んでも痛くない状態に戻ります。


〇歯周病

 歯の周りの組織に細菌の感染により炎症が波及し、歯周組織の破壊が生じます。進行することにより歯をさせる骨の吸収も生じ、歯にかかる咬合力に耐えられなくなり、痛みが生じる場合があります。
<治療>
 歯の周りに付着した感染の原因である歯石やプラークを徹底的に取り除きます。感染が収まることで、歯肉の炎症は収まり、腫れた歯肉は引き締まるなど、歯周組織が健康な状態を取り戻すことで、咬んでも痛みが生じなくなります。しかし、重度に歯周病が進行していしまうと、破壊された歯周組織は咬合力に耐えられなくなり得るため、そうなる前の歯周治療が必要です。

◆ 就寝前に痛くなる!!

〇進行した虫歯
 就寝前の痛みが出た場合は、虫歯が進行し歯の中の神経に近いまたは神経に感染している可能性があります。急性化膿性歯髄炎といい、神経(歯髄)に細菌が感染し化膿を起こす炎症が生じます。就寝前の強烈な痛みを特徴とし、痛み止めも効かず眠れないこともあります。
<治療>
 神経が感染し炎症が歯髄全体に波及している場合は、神経をとる(歯髄の感染を取り除く)必要があります。この治療で強かった痛みが嘘のようになくなることも多いです。


〇根の病気
 根尖に慢性的に蓄積された炎症が急性転化することにより、就寝前に強く痛むことがあります。神経がないまたは神経が死んだ歯に生じます。
<治療方法>
 根管治療により、根管の中の細菌を取り除く治療を行います。

◆ 歯茎が腫れて痛い!!または歯茎のところを押すと痛い!!

〇歯周病
 歯周病は歯の周りに細菌の感染が生じ歯周組織に炎症が波及する病気です。歯茎からの出血や腫れが初期の症状とみられますが、痛みとしては生じにくい特徴があります。しかし。その進行により歯を支える歯槽骨が吸収したり、歯の周りに膿(歯周膿瘍)ができたりすると歯茎の重い鈍痛が生じることもあります。歯に近い部分の歯茎を押すと鈍い痛みを覚えることもあります。
<治療>
 歯周病の治療が必要です。歯の周りに沈着した歯石やプラークを徹底的に除去し、また再度付着しないようにしなければなりません。破壊された歯槽骨は元に戻りにくいため取り返しのつかない状態になる前に早めの検査と治療が重要になります。

〇根の病気
 根の先端にできた膿が歯槽骨を突き破って歯茎に出てくる場合があります。そこはプクっと歯茎が盛り上がり、その頂点の穴から膿が出てきます。そこを押すとやはり鈍痛が生じます。やや歯と離れた歯茎に出てくる特徴がありますが、歯周病との鑑別診断が必要です。

◎まとめ
 歯の痛みは見えないところで、かつ強い痛みを伴うことが多いので我慢できないことが多いです。そうなる前に、治療することで強い痛みが出てくるのを防ぐ必要があります。虫歯や根の病気、歯周病など進行する前の予防や治療が重要です。
 症状がなくても定期的に歯科医院にて検診やメンテナンスを行い、痛みのない健康なお口を長期的に保ちましょう!

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
047-317-4908

2017.09.07更新

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の石丸です。

今回は唾液について書いていきます!
そもそも唾液とは、唾液腺から分泌される液のことを言います。唾液腺は3つの大きな唾液腺(大唾液腺)と5つの小さな唾液腺(小唾液腺)があります。

◎大唾液腺
〇耳下腺:耳の前あたりにあり、上の大臼歯の頬粘膜から唾液が出てきます。
〇顎下腺:顎の下に存在し、舌の前の下から分泌します。
〇舌下腺:舌の下に存在し、顎下腺と同様に舌前方の下の粘膜から分泌します。

◎小唾液腺
〇口唇腺:口唇の裏側の粘膜に存在し分泌します。
〇口蓋腺:口蓋の粘膜に存在し分泌します。
〇頬腺:ほっぺの裏の粘膜に存在し分泌します。
〇臼歯腺:奥歯の奥の方の粘膜に存在し分泌します。
〇舌腺:舌に存在し分泌します。

このように、唾液腺は大小多く存在し、口腔内の様々な部位から出ています。


 また、人間は1日におよそ1000㎖~1500㎖ほど分泌されると言われています。その唾液の性状は「ねばねばした唾液」と「さらさらした唾液」の二種類あります。

〇ねばねばした唾液
 主に交感神経にコントロールされています。交感神経とは自律神経のひとつで、緊張したときに活発に働くとされています。ねばねばした唾液は納豆などに含まれている“ムチン”というねばねばとした成分が含まれていてこの成分が体内に侵入しようとしている細菌をストップさせてくれたり、お口の中の粘膜を保護、保湿するなど「身体を守ってくれる役割」があります。緊張するとお口が乾くのは、さらさらした唾液が出ていなく、このねばねばした唾液が出ているからなんです。


〇さらさらした唾液
 主に副交感神経にコントロールされている。ねばねばした唾液と同じで副交感神経も自律神経のひとつで、リラックスしているときに活発に動くとされています。
さらさらした唾液は食事中に多く分泌し、消化を助ける酵素を多く含んで食べ物を湿らせて飲み込みやすくするなど「消化吸収を助ける役割」があります。うとうとしたときにお口から唾液が出てきそうになるのは、このさらさらした唾液が出ているからなんです。

【唾液の役割】

▼抗菌・殺菌作用
 唾液にはリゾチームやラクトフェリンなどの抗菌作用のある物質が含まれており、お口の中に病原菌等の細菌の繁殖を抑えて感染を防ぐ働きのことを言います。リゾチームは細菌の細胞の壁を破壊し死滅させます。またラクトフェリンは鉄イオンと結合する特徴があり、細菌が必要としている鉄イオンを奪います。
 唾液が減少すると口臭が増える可能性があります。これは抗菌作用が減少し細菌が増殖し、細菌の出す口臭原因物質が多くお口の中で産生されてしまうからなんです。


▼消化作用
 唾液の中にある消化酵素、“アミラーゼ”はデンプンを分解して食べ物の消化を助けて体内へ吸収させます。よく噛んで唾液の分泌を増やさないことにはちゃんと消化されず、胃腸に負担がかかってしまいます。


▼自浄作用
 歯(表面、歯間)に付着したプラークや食べ物のカスを洗い流してくれる働きがあります。
※唾液の分泌量が多ければ多いほど洗い流せますが、唾液の量が減少してしまうと十分に分泌されないで流れが悪くなることがあります。例えばスナック菓子など歯に粘着性のある食べ物は唾液が十分に分泌されないで流しきれないことがあるので、食べた後は十分に歯磨きをする必要があります。


▼修復作用
 歯の再石灰化を担います。唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンにより、酸によって溶けだした歯の表面に作用し、エナメル質のアパタイト結晶を新しく形成し、元の状態に修復してくれます。
 また、唾液の成分である上皮成長因子(EGF)はお口の中の粘膜の傷を早く治してくれます。皮膚の傷より、お口の傷の方が早く治りやすいですよね!唾液が少ないとなかなか傷も治りにくくなってしまいます。


▼潤滑作用
 発音など口や顎を使うときに唾液自体が潤滑油のような働きをしてくれます。食べ物を食べているとき飲み込みやすいように助ける働きもしてくれます。


▼pH緩衝作用
 通常口腔内は中性pH6.8前後で保たれています。pHが酸性に傾いたら歯のエナメル質が溶解して虫歯になる環境を作ってしまうので、酸性を中性に中和させることをpH緩衝作用と言います。
 唾液のpHが高い人ほどこの作用が強く、エナメル質の表面が溶けだすことを防いでくれるので、虫歯になりい人の特徴でもあります。しかし、pHが高いと石灰化が強くなるため、歯石ができやすくなり歯周病に気を付けなければなりません。特に顎下腺や舌下腺の大唾液腺は舌の下の粘膜から分泌するため、下の前歯の裏についたプラークが石灰化しやすく、前歯の裏に歯石が沈着しやすいです。


虫歯についてはこちら!!https://www.sugisawa-dentalclinic.com/blog/2017/03/post-7-433618.html


▼粘膜保護作用
 お口の中の粘膜を守って、口腔内が乾燥しないように防いだり、刺激でお口の中が傷つかないように防ぐ働きのことを言います。


◎唾液が減るとおこる症状
✔会話がしにくくなる
✔飲み食いがしにくくなる
✔口腔内が乾きやすくなる
✔口内炎・口角炎ができやすくなる
✔虫歯や歯周病になりやすくなる
✔口臭がする
✔舌や唇がひび割れる


◎唾液が少なくなる原因
✔生活習慣病
✔病気や薬の副作用によるもの
✔生活環境の変化


◎唾液をたくさんだすためには…
✔よく噛むように心掛ける
✔ガムを噛むことによって唾液の分泌を促す(フッ素入りのものがオススメ♩)
✔唾液腺のマッサージ(耳の前からほっぺの方に、または顎の下の後方から前方へ)


◎まとめ
 長生きが決まるのは唾液とも言われているくらい大事な働きをしています。唾液は年齢とともに減っていくと言われていますが、よく噛む習慣をつけて唾液腺を刺激してなるべく唾液を分泌させるようにすることがカギとなってきます。特に、唾液の量や性状によって、歯周病になりやすい人や虫歯になりやすい人になっていることになります。 
 杉澤デンタルクリニック行徳では、虫歯になりやすい人や歯周病になりやすい人それぞれへの治療やメンテナンスを考えお薦めしております。お気軽にご相談ください。

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