クリニックブログ

2018.08.06更新

こんにちは。千葉県市川市行徳にございます杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤と申します。歯周病と虫歯は日本人の歯を失う原因の1位と2位であり、多くの割合を占めています。その歯周病と虫歯にも関連性があり、歯周病が進行すると虫歯ができやすくなり、また、虫歯は歯周病の進行のリスクファクターになります。今回は歯周病と虫歯の関連について書いていこうと思います。

歯周病とは・・・
歯周病は歯の周囲に沈着したプラークの中に存在する歯周病原細菌による感染によって、歯周組織に炎症性の破壊が生じる病気です。一般的は歯慢性的に進行するため、症状も少なく発見しづらい病気です。

歯周組織には歯肉と歯槽骨、セメント質、歯根膜の組織が存在します。これらが細菌感染によって生じた炎症により破壊されていきます。その破壊が進行すると、歯の支えは減少し、歯肉は下がり歯が長くなったように見えていきます。


虫歯とは・・・
虫歯は歯の表面に付着したプラークの中の虫歯菌が産生する酸により、歯の表面が脱灰(溶ける)することにより生じます。一時的に歯の表面が脱灰されても、口腔内の唾液の作用により再石化が起こり歯が溶けるのを防止しているのですが、歯の表面に多くの量の酸や長時間停滞することで脱灰の量が再石灰化を上回ることで虫歯は進行してしまいます。また、歯の硬さや唾液の量により虫歯の進行具合に影響がでてきます。

歯周病が進行すると虫歯ができやすくなる
歯周病が進行することにより、歯を支える歯周組織が減少していきます。単純に歯茎が下がることで歯の表面の露出量は広くなり、虫歯になる面積が大きくなります。また、もともと見えていた歯の部位はエナメル質といって、人体で最も硬い組織によって覆われています。しかし、歯肉が下がることで歯冠だけでなく歯根が露出していきます。歯根表面にはエナメル質よりも弱いセメント質によって覆われています。したがい、エナメル質よりも弱いセメント質は虫歯菌の出す酸により脱灰しやすく虫歯になりやすくなってしまいます。


虫歯ができると歯周病になりやすくなる
虫歯ができることにより歯には穴が開いてしまいます。その穴には虫歯菌だけでなく歯周病原細菌も多く存在する可能性が出てきます。その穴は歯ブラシが届きにくく、細菌の量が多くなり、また長時間停滞することになってしまいます。また、歯と歯の間で虫歯になると歯と歯の間に食べ物は挟まり易くなり、歯と歯の間に詰まった状態はなかなか自然に取れないため、歯周病原細菌が歯周組織に感染する機会が多くなってしまいます。

まとめ
歯周病と虫歯の成り立ちは異なっています。しかし、各々が進行することに互いの発症リスクは高くなり、歯を失うリスクも自然と高くなってしまいます。逆に歯周病が進行しなければ虫歯になるリスクが小さくなり、虫歯にならなければ歯周病のリスクも減少します。よって、この歯科の二大疾患を予防または治療することはいつまでもご自身の歯で美味しく食事ができる大きな要因となることが考えられます。そうなるために歯周病になってしまったり虫歯がある場合は早めの治療を、健全な状態を保持するための定期的な検査やメンテナンスを強くお勧め致します。

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
047-317-4908

2018.07.27更新

こんにちは(^^)杉澤デンタルクリニック行徳の菊地です。

暑い日が続いていますが体調はいかがでしょうか。


さて、今回は「歯間ブラシは使った方がいいの?必要?」についてお話していきたいと思います。


みなさん普段歯磨きをする時は歯ブラシのみを使用していますか?一般的に歯ブラシだけを使用した場合、プラーク(歯垢)の除去率は6割ほどとされており丁寧に磨いたつもりでもおよそ4割の磨き残しが出てしまいます。

では、歯間ブラシを使用するとどうなるのか?というと、プラークの除去率が2割ほど高くなります。ということは歯ブラシ+歯間ブラシだとプラーク除去率が8割になります。プラークの除去率が高くなるとそれだけ虫歯や歯周病を予防しやすくなります。


歯間ブラシを使用することで…

・歯周病を予防しやすくなる
 歯間ブラシは歯と歯の間の歯茎との境目を磨くためのものです。歯と歯茎の境目には歯周ポケットが存在します。そこに細菌が溜まると歯周病を引き起こす危険性が高まります。その点歯間ブラシなら歯周ポケット周辺をキレイにできるため歯周病を予防しやすくなります。


・口臭の確認ができる
 口臭はある意味お口の発するSOSに等しいものですがなかなか気づかないものです。他人が指摘してくれることはなかなかなく口臭は知らない間に起きていることがほとんどです。歯間ブラシの使用はそんな口臭の有無の確認にも役立ちます。歯間ブラシは歯磨剤を必要としないですしプラークが溜まる箇所を集中的に磨けます。磨くことで口臭予防になりますし使用した歯間ブラシの臭いを知ることで口臭の有無もわかります。


デンタルフロスとの比較

歯間ブラシとデンタルフロス、どちらの方がいいのか?と悩む方も多いと思います。どちらも歯ブラシで磨ききれない箇所を綺麗にするためのものですし、使用した時のプラークの除去率もほぼ同じです。ですので、どちらがおすすめかはその人のお口の中の状況によって異なります。歯間ブラシがオススメな方は…

・歯と歯の間の隙間が広く開いている方
 歯と歯の間ならデンタルフロスでも磨くことはできますが、隙間が広く開いている方は歯間ブラシのほうが磨きやすいと言われています。


・ブリッジなどの繋がった被せ物を使用している方
 繋がった被せ物を使用していると、デンタルフロスは使用できません。連結部分にもプラークは溜ってしまいますので歯間ブラシは必要となってきます。


歯間ブラシの選び方

歯間ブラシのサイズは5~6種類ほどあり、自分の歯と歯の間の大きさに合わせて選びます。小さすぎるとプラークを除去できないですし、大きすぎると歯茎を傷付けてしまうこともあります。適切なサイズは“歯と歯の間に少し抵抗を感じながら入れられるサイズ”です。サイズに悩んだらこれを基準にしていただくか歯科医院で適切なサイズを提案してもらいましょう。

歯と歯の間の隙間は場所によって異なるため何種類ものサイズを使い分けなければいけないと思っている方もいるかもしれませんが、2サイズくらいに抑えて通し方を工夫していただけたら大丈夫です。何種類も歯間ブラシを使うと徐々に面倒くさくなってしまってやらなくなることが多いので注意が必要です。

またゴムタイプの歯間ブラシは通し心地が良く、誤ってワイヤーが歯茎に刺さるということもなく人気がある商品ですが、プラークを取り除く能力が低いと言われています。爪楊枝感覚で使うのはいいかもしれませんが虫歯や歯周病の予防を目的とするのであればブラシタイプのものをオススメします。


歯間ブラシの通し方

歯間ブラシをただ単に歯と歯の間に通せばいいと思っている方もいるかもしれませんがそうではありません。「歯と歯のそれぞれの面をこすってあげる」イメージで通していただくと効果が違ってきます。歯と歯の間を“ハの字”に沿わせて歯間ブラシを動かしてあげると歯ブラシで磨き残していた歯と歯茎の境目のプラークまで取り除くことができます。

また歯間ブラシを使うタイミングとしては歯ブラシの前をおすすめします。ハブラシの後はダメ!ということはないのですが徐々に面倒くさくなってしまいやらないことがでてきてしまうからです。一日に一回は通すようにしましょう。


歯間ブラシを交換する目安

歯間ブラシは使い捨てではないので使用後は水で洗って乾かしてもらえれば何度でも使えます。しかし、歯間ブラシを使用していると少しずつ毛羽立ってきたり、毛が寝てきます。また中の針金が曲がりやすくなったり、時には折れたりします。「痛んできたな」と思ったら交換してあげてください。


歯間ブラシを通したら出血した…

歯間ブラシを通して出血があったらびっくりするかもしれませんが痛みがなければ積極的に通してください。出血があるのはプラークが溜まっていることにより歯茎に炎症がおきているからです。出血があるからと言って歯間ブラシを通さないでいるとプラークが溜まったままになり、炎症がいつまでも続いてしまい歯周病が進行してしまいます。毎日やっていると徐々に出血も治まってきます。もし痛みを伴って出血する場合は歯間ブラシのワイヤーで歯茎が傷ついてしまっている可能性があるのでサイズを小さいものに変えるか優しく通すようにしてください。


まとめ

いかがでしたか?はじめて使う場合は不安や心配なことが多いと思いますが少しずつ習慣づけていけたらいいのかなと思います。歯ブラシに加えて歯間ブラシ(またはデンタルフロス)を使うことで虫歯や歯周病の予防につながります。杉澤デンタルクリニック行徳では患者様一人一人に合ったケアを提案させていただいています。気になることやご不明点がありましたら気軽にご相談ください!

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
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2018.07.13更新

こんにちは。杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。

今回は「滅菌」についてお話したいと思います。

医療器具をどうやって滅菌しているのか、また感染対策はどうしているのか説明したいと思います。


まず初めに「滅菌」とは?
・・・物質中のすべての細菌を死滅させることです。
では「消毒」と「殺菌」はどう違うのか?

「消毒」・・・細菌の活動を弱めること
「殺菌」・・・特定の細菌を殺すこと

消毒よりは殺菌の方が強いですが、すべての菌を殺すことはできません。


次に医療器具はどうやって滅菌しているのか説明します。

〇医療器具の洗浄→消毒→滅菌の流れ〇
① 用手洗浄
洗浄剤とブラシ・スポンジを使って汚れを取り除きます。
洗浄は消毒または滅菌の効果を最大限に発揮する最も重要な工程です。

② 浸漬洗浄
器具を洗浄液に浸け、血液や体液などを分解し除去する方法です。

③ 超音波洗浄
超音波を発生させることによって、前工程で落としきれなかった汚れ(血液やタンパク質など)を液体中の泡による衝撃波と水の分子を洗浄物にぶつけキャビテーション効果で落とします。目に見えない細かい所まで短時間で洗浄できます。

④ ジェットウォッシャーによる洗浄
器械内部に取り付けられた洗浄アームから噴射される強力な水流と専用の洗剤によって器具に付着した汚れを落とす方法です。
洗浄・すすぎ・熱水消毒・乾燥までの工程を行う機器です。

⑤ パッキング
滅菌する前に器具を包装します。

⑥ 滅菌
オートクレーブという滅菌器を使って、121℃~134℃以上の高温の蒸気で器具を滅菌します。オートクレーブは滅菌力の強さによって機器の品質に段階があり、ヨーロッパ規格では上からB→S→Nにクラス分けされています。
当院では、以前のブログでも紹介しましたがクラスBのプレポストバキューム式の滅菌器を使用しています。


〇滅菌しているもの〇
・基本セット(ミラー、探針、ピンセット、バキュームなど)
・根管治療の器具
・手術器具
・歯石除去する器具
・ハンドピース、バー(歯を削る器具)  など
患者さんに使用する器具はすべて滅菌処理をしています。

〇使い捨てにしているもの〇
・紙コップ
・紙エプロン
・注射針、麻酔液
・グローブ
患者さんごとに新しいものに変えています。
使い回しはせず、毎処置ごとに交換し使用したものは廃棄しています。

〇タオル・ユニットについて〇
患者さんのお顔にかけるタオルは患者さんごとに交換し、使用後は洗濯・乾燥を行い清潔さを保っています。
患者さんが座るユニットについては使用後、除菌しています。

☆空気感染防止の為、口腔外バキュームを設備しています。

〇まとめ〇
院内感染を防ぐため、患者さんのお口に入るものすべて滅菌処理を行っています。
安心して治療を受けていただけるよう万全の対策をしています。

2018.06.29更新

こんにちは。市川市行徳にある杉澤デンタルクリニック行徳の松井です。
歯周病は生活習慣病の1つで、糖尿病や狭心症や心筋梗塞、肺炎などの全身疾患に影響を及ぼします。
今回はその中の肺炎について『歯周病と肺炎の関係』を書いていきます。


肺炎
肺炎とは主にウィルスや細菌が肺に感染して起こす病気です。病気にかかって体力が落ちているときや、高齢のため免疫力が落ちているときに肺炎を起こしやすくなります。
肺炎は癌、心臓病に続いて日本人の死亡原因の第3位です。
肺炎による死亡率は年齢とともに高くなっていて、死亡者の95%を65歳以上の高齢者が占めています。
肺炎の中で歯周病と関係しているのは、『誤嚥性肺炎』です。


誤嚥性肺炎とは
誤嚥とは、誤って食べ物を飲み込むことをいいます。
通常肺につながっている気道は酸素など空気が入り込まれますが、高齢になり食べ物を飲み込むための喉の筋力が低下してしまうと、食道にながれこむ食べ物が誤って気道にはいってしまいます。(→誤嚥)


また、加齢などで唾液分泌量が減り、口の中が乾燥してしまうと、食べ物を飲み込みにくくなってしまい、誤嚥へと繋がってしまいます。
咳き込んで外に出してしまえればいいのですが、高齢になると咳き込みも弱くなってしまい、異物を外に出すことができず、食べ物についた口の中の細菌が肺に感染すると誤嚥性肺炎になってしまうことがあります。


歯周病と誤嚥性肺炎の関係

食べ物が誤って気道から肺に送り込まれてしまう際に、その食べ物に歯周病菌がついていると、その菌が原因で誤嚥性肺炎になってしまうことがあります。
実際に高齢者の誤嚥性肺炎を起こした患者さまの肺からは歯周病菌が高い頻度で見つかっていることから、歯周病と誤嚥性肺炎は関連性があるとされています。


つまり、口の中に歯周病菌がたくさんいると、誤嚥性肺炎の危険が高まるということです。


家でのセルフケアと、歯医者でのプロフェッショナルケアと両方で口の中の細菌を減らし、誤嚥性肺炎のリスクを減らしましょう。


まとめ
高齢者の方が起こしやすい誤嚥性肺炎は、口の中の細菌を減らすことでリスクを減らせます。それが、命を救うことにもつながります。
毎日の歯磨きと定期的な歯科医院でのクリーニングで口の中をきれいに保つことができます。
また、歯周病があるかないか歯科医院で検診してもらい、歯周病があったら、治療していく必要もあります。
杉澤デンタルクリニック行徳では、歯周病の検診をし、歯周病認定医が、口の中にあった治療法を提案させていただきます。
必要があれば、歯磨き指導をし、定期的なメンテナンスも行っています。
お気軽に当院にご連絡ください。

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
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2018.06.14更新

こんにちは。市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の石丸です。

今年ももう半分が経ちました…。梅雨入りしてしまい、どんよりした日が続いています。

雨になんて負けてはいられません!今月は、“ジューンブライド”と言われる6月(^ω^)♪

「結婚式に備えて歯を白くしたい」「笑った時に歯が白いとキレイにみえるから白くしたい」と思われている方も多いのでは…???


そんな今回は「歯医者さんで行うクリーニングとホワイトニングの違い」について書いていこうと思います。


クリーニングとは…?
クリーニングは、歯科衛生士や歯科医師が超音波スケーラー(振動で歯の汚れを落とす機械)や手用器具などを用いていつもの歯ブラシだけでは取り切ることができない歯石、歯垢をとることを言います。(=歯面清掃)

クリーニングをすることによって歯が白くみえることもあります。クリーニングは歯の表面の汚れや着色を落とすことで、本来のご自身の歯の色になります。ご自身の歯の色を、よりも白くしたい場合にはホワイトニングすることをオススメします。


ホワイトニングとは…?
ホワイトニングは、歯そのものの色を白くする方法のことを言います。

歯科医院で行うホワイトニングもあれば、自宅で行うホワイトニングもあります。
ホワイトニングには、オフィスホワイトニング・ホームホワイトニング・ウォーキングブリーチの3種類があります。


〇オフィスホワイトニング(オフィスブリーチ)
歯の表面にオフィスホワイトニング用の薬剤を塗って、専用の光を当てることにより、薬剤が活性化したことによって歯の表面を漂白して歯を白くします。一回のホワイトニングで色が白くなるため、早く白くしたい方におススメです。


〇ホームホワイトニング
歯科医院でホームホワイトニング用のトレーを作製し、そこにホームホワイトニングの薬剤をいれて1~2週間繰り返して行い、徐々に歯を白くします。すぐに効果が出るわけではありませんが、比較的ホワイトニング効果が長持ちしやすい特徴があります。


〇ウォーキングブリーチ
神経のない暗くなった歯をもとの白さにするために歯の中に専用の薬剤をいれて歯を白くします。神経のない歯の色を改善する方法はこのウォーキングブリーチか差し歯を被せる方法になります。


まとめ
クリーニングは、歯の表面の汚れを根本的に落としてご自身の歯の色に戻します。一方、ホワイトニングは、薬剤(過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムを混ぜたもの)を使用し、ご自身の歯を白く(漂白)させます。
杉澤デンタルクリニック行徳では、クリーニング・ホワイトニングどちらも施術可能です。歯を白くしたい!といった審美歯科などはもちろん、幅広く対応しております。お悩み等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。スタッフ一同ご連絡お待ちしております。

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
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2018.06.07更新

こんにちは。千葉県市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。

お食事をしている途中に、「何か硬いものを咬んだ」と思ったら、ご自身の歯に詰めているものが取れたという経験をされた方も多いと思います。どうして詰め物が取れるのか?また、取れた詰め物はどうしたらよいのか?その後の治療は?について書いていこうと思います。


詰め物とは?
詰め物とは虫歯になってしまった歯の治療に際し、虫歯を削ってできた穴を人工的なものでその歯の形態や機能を回復する必要があります。その人工的なものを詰め物と言います。一般的には部分的な穴を詰めるものであり、歯の一部を補うものです。歯を全体的覆うものは被せ物=差し歯と言います。虫歯の範囲や歯の種類によりさまざまな詰め物が存在します。


詰め物が取れる原因
詰め物はそもそも特殊な接着剤にて歯牙と接着することにより成り立っています。その接着剤の接着力が失われることにより、詰め物がとれてしまいます。では接着力が失われる原因はなんでしょうか?

〇詰め物の適合性の悪化
詰め物の適合性が悪い部分は詰め物と歯の間に隙間がある状態です。その隙間から接着剤であるセメントがゆっくり流れて行ってしまい、セメントが少なくなることにより接着力を失った詰め物が取れてしまいます。


〇二次う蝕(二次虫歯)
詰め物の周囲の歯質が再度虫歯になることにより、詰め物と歯の間に大きく隙間ができて詰め物が取れやすくなります。詰め物の適合性が悪化するとその隙間から細菌が侵入し、再度虫歯になり隙間が大きくなることで更に詰め物が取れやすくなってしまいます。


〇咬合力
それぞれの歯にかかる咬合力は異なります。特に奥歯においては強い咬合力がかかるため、弱い素材の詰め物であると、咬合力に負けて詰め物が欠けたり、取れてしまうことがあります。


詰め物が取れたらどうすればいいの?

取れた詰め物がお手元にあるのであれば、一応どのようなものが詰まっていたのかを知ることができるため、歯科医院にご持参してください。
また、詰め物が取れたところは、物が溜まりやすく、更に虫歯になるリスクが高まるため、早めに歯科医院を受診しましょう。


詰め物がとれた後の治療は?

詰め物が取れた原因にもよりますが、虫歯になっている状態であれば、虫歯を取り除き、再度詰め治す治療が必要になります。その際の詰め物の種類は、歯の種類や詰め物の大きさ、審美的要因、咬合力など色々な要素を考慮し、歯科医師と相談して決定することが必要です。



まとめ
詰め物は一度虫歯や歯の破折により生じた歯の部分的な欠損を形態的・機能的に修復する治療法です。更にその周りから虫歯になったりすることで、その詰め物の大きさは大きくなり、ご自身の健康な歯質は小さくなってしまいます。
詰め物の適合性などはご自身ではわかりにくいため、定期的に歯科医院にてメンテナンスと同時にチェックしてもらうことをお勧め致します。

杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
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2018.05.31更新

こんにちは!杉澤デンタルクリニック行徳の菊地です。


以前「虫歯は遺伝するのか」ということについてお話させていただきましたが今回は「歯周病は遺伝するのか」についてお話していきたいと思います。


答えから言うと虫歯と同じで一般的に歯周病そのものが遺伝することはありません。しかし唾液の量や性状、歯並びなどは遺伝的な要因が含まれていますが、歯周病を引き起こす原因である歯周病菌は生まれながらに遺伝することはありません。


また全身状態、生活習慣(喫煙など)やそれに関する病気(糖尿病など)遺伝的影響など色々な要素が関わって歯周病にかかりやすくなることはあります。


また「侵襲性歯周炎」と言って全身的に健康な若年者(10~20代)が永久歯萌出後に限局的に急速な歯周炎が進行する歯周病があり、これは遺伝的な要因が関与していると言われています。
歯周病は環境要因、時間要因、病因などの様々な要因が相互に関連して発症と進行する「多因性疾患」のためこれらの要因を取り除いて歯周病と遺伝的要因の関連を解析することは困難でしたが近年の遺伝子解析技術の進歩に伴って歯周病になりやすい遺伝的形質について科学的に解明されつつあると言われています。


歯周病は一度症状が進行してしまうと、治療することで歯の周りの組織(歯茎や顎の骨)が完全に元通りに治るという病気ではりません。虫歯のように一本一本症状が違うということがなく、全体的に進行する特徴を持っています。グラグラしても痛みがないからと言って放置しておくと病状が進行しお口の中の組織に悪影響を及ぼします。

 

【歯周病は必ずかかる病気?】
→歯周病は必ずかかる病気ではありません。「一生懸命ハブラシしているのに歯周病、虫歯になった…」という方もいらっしゃるかもしれません。歯周病を予防するには歯と歯の間、歯と歯茎の境目などかなり行き届いた歯磨きが必要です。自分では十分磨けていると思っていても実際には歯ブラシだけでは不十分なことがあります。デンタルフロスや歯間ブラシを使ったケア、プラス定期的に歯科検診を受け、歯石などを除去することで予防することができます。


【歯周病にかかりやすさはある?】
・口呼吸…口呼吸することで口の中が乾きやすくなり、プラークがたまりやすくなります。また唾液分泌の低下により自浄作用がなくなることから口の中の細菌の活動を高めるなど悪影響があります。


・歯ぎしり、噛み合わせ…歯ぎしりの強い力が歯に加わることで歯の根や周囲の組織(骨や歯ぐき)に負担をかけ骨を特定部分吸収させたりします。噛み合わせが悪いと一部の歯に不自然な力がかかりそこだけの負担が大きくなります。
等様々なケースがあります。

 

《歯周病菌が骨を溶かすメカニズム》
① 食事のあと24時間でプラーク形成(細菌の塊になる)。
② プラークは48時間で唾液と結合して歯石となりそこを住みかとする。
③ 歯周ポケットを作り毒素を出す。
④ 毒素に対して体は免疫細胞を集めて抵抗する
⑤ 毒素が多いと免疫細胞は骨に感染しないように骨を溶かして毒素から遠ざける
⑥ 徐々に周りの骨が溶かされて歯が揺れて抜けてしまう

 

まとめ
歯周病そのものが遺伝することはありませんがなりやすい性質などは遺伝が関連することがあります。しかし歯周病も虫歯も予防することは可能ですので定期的に歯科に検診に行くようにしましょう。杉澤デンタルクリニック行徳ではそれぞれにあった定期的なメンテナンスをさせていただいています。キレイなお口を保っていけるようサポートします!

杉澤デンタルクリニック行徳
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2018.05.18更新

こんにちは。市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。

歯を失ってしまった時の治療法として、ブリッジ・入れ歯・インプラント治療がありますが・・・
他に「歯牙移植」という治療法があるのをご存知でしょうか?
今回はその「歯牙移植」について説明したいと思います。


歯牙移植とは?
歯牙移植とは、重度の虫歯や歯周病、外傷による歯の破損などによって歯を失ってしまった場所に親知らずや過剰歯、埋没している歯を抜歯して移植する方法です。
移植する歯の根には「歯根膜」と呼ばれる組織も一緒に移植するので、インプラントや入れ歯とは違い生体に対して優しくなじみやすい為、自然な噛み心地を得られます。
歯牙移植をしてから約2~3ヶ月で普通に噛めるようになると言われています。


歯牙移植の条件
・ドナーとなる歯があること
親知らずや過剰歯、また生えている位置の悪い転位歯などがドナー歯として使用できます。

・ドナーとなる歯の形・大きさが合っている
歯の大きさがあまりに違っていると、うまく移植ができません。

・ドナーとなる歯が健康な状態であること
重度の虫歯や歯周病に侵されていると移植をすることができません。

・年齢が若い
40代以下の方が治療の成功率は高いです。


歯牙移植のメリット
・入れ歯のような違和感がない
・周囲の歯を削る必要がない
・自然な噛み合わせが得られる
・アレルギーなどのリスクがない
・保険内の治療も可能なため、インプラント治療に比べ安価


歯牙移植のデメリット

・治療できる条件が限られている
・外科手術が必要
・高齢者では治療の成功率が低下する可能性がある


歯牙移植の流れ
1.口腔内の清掃
健康な口腔環境でなければ歯牙移植はできません。また、歯周病の場合は先に歯周病の治↓療をしてから移植を行います。


2.ダメになってしまった歯の抜歯
抜歯する歯と移植する歯の形・大きさが似ていることが重要です。


3.移植する歯の抜歯
歯根周囲の歯根膜が傷つかないよう慎重に抜歯します。


4.噛み合わせ・大きさを調整して移植
噛み合わせを考えて歯の移植をするので、移植して1ヶ月ほどで骨が回復して歯の揺れ↓がなくなります。


5.歯を固定する
移植してしばらくは歯を固定して骨の回復を待ちます。


6.移植した歯牙の神経の治療を行います。
移植した歯は神経が切れていて、神経が死んでしまうため神経の治療を行うことが多いです。移植する前に神経の治療を行うこともあります。


7.被せ物をセットします。


まとめ
歯牙移植は条件が揃わないとできない治療ですが、親知らずを使った歯牙移植には噛み心地が自分の歯に近く、周りの歯を削らなくて良いといったメリットがあります。
なので、特に症状が出ていない親知らずは無暗に抜かず残しておくのも選択肢の一つです。
歯牙移植は保険が適用される場合とされない場合があるので、もし移植を考えている方がいるなら一度かかりつけの歯科医院に相談してみてください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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2018.05.02更新

こんにちは。市川市にある杉澤デンタルクリニック行徳の松井です。
ゴールデンウィーク真っただ中ですね!
皆さんいかがお過ごしですか?


今回は『歯肉炎と歯周炎の違い』について書いていきます。


歯肉炎と歯周炎の違いは炎症の範囲にあります。
実際は歯肉炎も歯周炎も歯周病の一部です。


歯周病とは口の中の歯周病菌が原因で歯を支えている歯の周りの組織の歯ぐきや顎の骨に炎症を起こす病気で、重度になると歯を失う原因になります。
はじめに歯肉炎が起こり、放っておいてしまうと歯周炎に進行してしまいます。


歯肉炎
歯周病の中で軽度な病気で炎症は歯ぐきのみに限局しています。そのほかの歯の周りの組織は健康なままなので早期に治療を行うことで、元の健康な状態に戻ることができます。

歯周炎
炎症が歯ぐきだけでなく歯を支えている顎の骨にまで拡がり骨の一部が失われている状態です。失われた骨を戻すことは難しく、元の健康な状態には戻れません。
失われた骨の位置で歯ぐきが引き締まり治っていくので、歯ぐきが下がった感覚や歯が伸びた感覚、歯と歯の隙間があいたような感覚があるかもしれません。


歯肉炎の治療法
炎症が歯ぐきの表面付近だけなので、自宅でのケアや歯科医院での治療により元の健康な状態に戻れます。自宅では歯垢をしっかり落とせるようにブラッシング指導を受け、歯ブラシの届きにくい歯間には、フロスや歯間ブラシも併用しましょう。
また毎日の歯磨きで除去しきれない汚れを歯科医院で取ることで早期治療になっていきます。毎日のケアをきちんと行わないと何度も再発しやすい病気なので、定期的に検診、クリーニングも受けましょう。


歯周炎の治療法
歯周炎まで進行してしまうと、骨などの歯ぐき以外の組織まで炎症が拡大してしまい、ていねいな歯磨きだけでは、改善が難しく歯科の治療が必要です。大掛かりな治療になることや、治療も長期間かかることもあります。
軽度の歯周炎では、歯ぐきの中にかくれた歯石を麻酔をした状態で取っていきます。中等度に進行している歯周炎では歯ぐきの中のかくれた歯石取りをした後、経過をみて外科処置や再生療法を行うこともあります。重等度まで進行して保存が難しい場合は、抜かなければいけないこともあります。


まとめ
歯肉炎の状態だと元通りに治りますが、歯周炎に移行してしまうと元通りには戻りません。歯肉炎のうちにまたは歯周炎の場合は早いうちに治療して健康で引き締まった歯ぐきにしましょう。ただ、歯周病は気付かないうちに進行してしまうので、症状が無くても、歯医者を受診して、歯ぐきに腫れがないかチェックしてもらいましょう。また歯周病は再発しやすいので定期的にクリーニングを受けましょう!

杉澤デンタルクリニック行徳の歯科医師は日本歯周病学会認定医です。お気軽にご相談ください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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2018.04.19更新

こんにちは。市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の石丸です。

新年度・新学期がはじまり約2週間、4月も後半となりました!!
みなさんはいかがお過ごしでしょうか??
私は、ゴールデンウィークが待ち遠しくてうずうずしている今日この頃です(笑)


そんな今回は「詰め物と被せ物の違い」について書いていこうと思います!


>>詰め物と被せ物ってなにが違うの…?( ゚Д゚)ノ<<

詰め物も被せ物もどちらも歯の修復をするために使われますが、虫歯の大きさによって詰め物するのか、それとも被せ物をするのかは異なってきます。


詰め物とは…?
小さな虫歯を削って取り除いたところや欠けた部分に人工的に詰めるもののことを言います。歯科では、詰め物のことを“インレー(Inlay)”と呼びます。

また、虫歯を削り取りそのまま樹脂などを詰める場合と、型を取りセラミックや金属などを詰める場合があります。被せ物との違いは、健全な歯質を一部残した状態で修復が完了した状態であることです。


被せ物とは…?
被せ物とは、詰め物と比べて修復する部分が大きいため、歯をすっぽり覆う(被せる)形のもののことを言います。差し歯とも呼ばれます。歯科では、被せ物のことを“クラウン”と呼びます。

(※)被せ物をする際は比較的大きな虫歯、もしくは根管治療(根っこの治療)をしたあとはクラウンを被せる治療が一般的とされています。


詰め物・被せ物をした歯はもう虫歯にならない…?
詰め物・被せ物をしたからといってその治療した歯が二度と虫歯にならないとは限りません。詰め物も被せ物も劣化によって歯と詰め物と被せ物の間に隙間ができてくるのでそこから虫歯菌が潜伏し、詰め物や被せ物の中で虫歯になることがあります。その虫歯のことを「二次う蝕」と言います。成人の方が虫歯治療を行う際は二次虫歯のケースが多いとされています。


詰め物や被せ物のセット後の問題点
✔保険内の詰め物や被せ物は、主に銀歯(金銀パラジウム合金)。セット直後は熱を通しやすいという属性があるため、冷たいものや熱いものを口に含んだ際にしみるケース
✔噛み合わせが合わず、噛めば噛むほど痛みがでるケース
✔虫歯菌(細菌)が残った状態で詰め物や被せ物をセットしてしまい、残った細菌によって痛みを伴うケース(根管治療は難易度の高い治療のため、痛みを伴うケースがあります。)

まとめ
詰め物や被せ物をして完治!!というわけではありません。詰め物であれば、また健全であった歯質に虫歯ができてしまったりすることで、虫歯が進行してしまい痛みが出てきてしまうこともあります。怪我の痛みは我慢できても、歯の痛みは我慢できない!という方がたくさんいらっしゃいます。ですから、セット後のメンテナンスが非常に重要になります。

杉澤デンタルクリニック行徳では、痛みが出る前に行える処置(予防策)として3ヶ月に一度のメンテナンスをオススメしています。今現在痛みがなくても被せ物の下で歯の先端に膿をもっている可能性もあります。すこしでも心配なことがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。


杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
047-317-4908

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